◆ということで、ダボス会議の動画をいくつか見た。全部はとても見れないのでNVIDIAのジェンスン・フアン、テスラのイーロン・マスク、マイクロソフトのサティア・ナデラ、パランティアテクノロジーズのアレックス・カープの4本。ほかにも見たいのがあるので、おいおい見て行きたい。
少し感想を書いておきたい。日曜日は少し長くなりがちかもしれない。
◆ テスラ&スペースエックス:イーロン・マスク
終わり際に、「悲観的で正しいことよりも、楽観的で間違っている方が楽しい」と言っていた気がする。電力問題に正面から取組んでいるのは、素直にすごいと思う。太陽光発電を宇宙空間で行う方向で考えている。その方が効率が良いのは誰でも考え着くが、実際にできるのはこの人しかいないと思う。(日本で試験的に成功した話は、ちょっと前に出ていたようだが) 太陽光発電設備の発電量から、安定的な電源供給として見込めるのは、地上では20~25%程度だが、宇宙にもっていくと5倍くらい効率が上がると言っていた。ほぼ100%ってことか。
12,13年くらい前に人類がまだ70億台くらいだったころ、都市に人口の70%が集中して、すべての人が先進国と同じような生活を送るとしたら、地球が1.8個必要と言っていた気がする。いま80億人になっていて、この先100億を少し超えて今世紀末には90億台で推移するそうだ。エネルギー需要は増える一方で減ることは考えられないし、化石燃料はやがて枯渇するので代替というか次のエネルギー源は必要になる。イーロン・マスクの視点は太陽系を一つのエネルギーシステムとしてとらえたうえで、太陽以外のエネルギー源は無いと言っているように聞こえた。まあ実際そうだろうと思う。ただし石油はエネルギーだけでなく、石油製品という形で絶対に必要なので、無視することはできない。(コンピューターの中を見たらわかるが石油製品だらけだし) 人類の増加と持続可能性を両立するエネルギーは太陽だけというのは正しい認識かと思う。
◆ NVIDIA:ジェンスン・フアン
CES2026でも言っていた、フィジカルAIとAI環境を構成する5層のケーキ説を述べていた。実際、AIを産業化するのにこの人の右に出る人はいないだろう。最下層は物理インフラ、その上がハード(GPU/CPU/インターネット)、その上がクラウド+エッジのサービス、その上がAIモデル(学習モデル)、その上の最上層がやりたいこと、と明解だ。通信工学をかじった人は、OSI(Open Systems Interconnect)の7つのレイヤーを思い出すに違いない。フィジカルAIというのは、単純にロボットのことを指すのではなく、物理法則を理解したAIだからこそロボットのような手足をきちんと動かせる、人と協働できる、という意味だと理解した。1年前に聞いた言葉だけど、ようやく理解できた気がする。
放射線技師の例を出して、AIが職を奪うのではなくタスクを自動化することで、職業本来の役割りを十分に果たすことが出来て、サービスの質が向上して、客が増えてもっと職人が増えることになる、とAIの使われ方を説明していた。ほかの例もそうだが、技能職が見直されるという流れになるのだろうか。日本ではエンジニアというと技術者と技能者の区別があまりついていないが、技術者は技術開発行い、作業仕様をまとめて技能者が実行する。もちろん技術者自身が技能者となることもある。国際エンジニアリング連合の基準では、技術者には大卒程度の学力が必要とされている。人が仕事に就く目的は、お金を稼ぐことだけではなく、良き労働力を提供して社会に貢献することも重要だと思う。ヴォルテールに似たような言葉あったと思う。AIはタスクを自動化・省力化して、人間をジョブに集中させるための道具ということだと思った。それでサービスが向上すれば商売が繁盛してもっと多くの人が必要になる。
◆ マイクロソフト:サティア・ナデラ
テスラやNVIDIAに比べると息の長い会社なので、時代の変遷を踏まえた対談内容には説得力があったと思う。いまのマイクロソフトはクラウドサービスプロバイダー(CSP)で、コパイロットを提供している。NVIDIAはAIファクトリーと言っているが、MSはトークンファクトリーと言っているようだ。CSPとして、トークンを世界に普及させていき、1ドル1ワットあたりのトークン数を改善していく。トークンの料金は3か月ごとに半分になっているといっていたような気がする。たしかにAIが要求する計算資源は膨大で、現状で半導体メーカーの製造が追いつかない。トークン生成ペースが激増していることに他ならないわけで、有料版がいくらか知らないけど、価格は下がっていると考えるのが普通だろう。これはホワイトカラーにとっては大きな脅威で、従来のホワイトカラーは、経営者にしてみたら割高な労働力を提供していることになる。当然リストラ対象になるので、ホワイトカラーは自衛的にAIを使わなければならないだろう。自分の会社でもAI使えって言われるのが、理論的に整理できた気がする。(それでなくてもDXで効率化していて、生産性が上がった割に給料は増えていないので、労働単価は下がっていると思う)
最後の方で、この先、AIがいろんな会社から出てマルチモデルとなって発達していくときに、個人はどのようにAIと付き合うべきか、という問いに、いろんなモデルから蒸留したモデルを構築し、そこに自分のデータを入れて、自分のためのフィードバックを得るような使い方になるだろうと言ってたような気がする。全体的に啓発される部分が多い対談だったと思う。
あとAIはコグニティブ・アンプリファイア(認知増幅器)と言っていたが、昔IBMがAIと言わずにコグニティブ・コンピューティングと言っていたのを思い出した。初代ワトソン(POWER7)のころの話だが。AIは英語でドイツ語だとKIになったりして、必ずしも国際的に統一されてないので、AIと言いたくなかったのかもしれない。
◆ パランティアテクノロジーズ:アレックス・カープ
パランティア自体はあんまりよく知らないのだが、2025年に合衆国政府が、効率化のひとつで各州政府にパランティアにデータ集約するよう指示を出して、一部の州から反発を招いていたような話をXで見た気がする。そういうデータ分析の会社なのだろうと思っている。
前半よくわからなかったが、後半で、ある人が何に適しているか、入社試験などの適性検査では決してわからない適性を見抜いて、その適した職に就かせることが出来ると言っていた。ここでもジェンスン・フアンと同じように、技能(スキル)はもっと求められるようになると言っていた。ホワイトカラーの仕事の基礎は大学で学んだことにあるので、技能職が増えるということは、ホワイトカラーは不要になるのか、という問いには、一応はYesだが、大学を出てその職についても、それがその人の真の適正に沿ったものかどうかはわからない、それを適切に分析することが可能だと言っていたように思う。パランティアの社内はすでにそういう感じらしい。
あとサティア・ナデラのときにも質問が上がっていたが、AIを国際的に早く均一に普及させるにはどうしたらいいか、という問いがあった。発展途上国ではAIは高等教育を受けたものしか触れられない傾向が強く、AIを利用することが経済格差につながるため、K型化経済に拍車がかかることを懸念しているようだ。K型化経済はコロナ前から言われていたが、コロナ後も依然として国際的な懸念事項であり続けている。
今日も気づけば昼まで寝ていて、ようやく体の奥の疲れが抜けてきた。まあ日曜だしこれでいいかと思えるゆるい始まり。
外は晴れていて窓際だけはぽかぽかしていたけれど、空気はひんやりしていて最高気温も10度くらいだったらしい。ニュースでは日本海側の大雪が映っていて、まいどながら同じ国内でも景色がまるで違うなあとぼんやり思った。
午後は明るいうちに部屋を掃除して、少しだけ気分が軽くなった気がする。晩ごはんはテレビを眺めながらのんびり食べて、休日らしい時間が過ごせてよかった。