2026年2月28日 週末

そういえば、AMDのZen7 Grimlock Ridgeに関するリーク記事が出ている。デスクトップCPUであるが、CCDはEPYCでも使用されると思われる。Zen6はまだ市場に出ていないがTSMC 2nmプロセスを使用しており、Zen7はA14(1.4nm)プロセスを使用するらしい。CCDのコア数は16コアで面積は98mm2と出ていた。16コアのCCDはコードネームをSilvertonというらしいが、これとは別に8コアでSilverkingというCCD(56mm2)があるようだ。Zen6のCCDは12コアで76mm2である。2nmプロセスのN2からA14へのチップ密度の比は、TSMCの資料でx1.2と出ていたので、面積では0.83倍となる。2nmから1.4nmはフルノードの世代交代になるが、昔のように同じコア数で半分の面積とはならない。12コアのままだと76x0.83で63mm2程度、24コアにすると124mm2程度で、歴代のCCDより少し大きい。ア数を1.5倍で16コアにしたダイと、その半部の8コアで少し小さいダイの2種類にしたものと思われる。16や8の方が2のn乗で使いやすいというのもあるかもしれない。

記事ではCPUだけでなくAPUについても触れていたが、Grimlock Point/Haloでは、IOダイの上にCCDが乗るようだ。Zen5世代のStrix PointとZen6のMedusa Point(未発売)では、CCDとIOダイはFOEB(Fan-Out Embedded Bridge)でつなぐ方式となっている。これが3D構造になると、配線距離が劇的に縮むので、レイテンシと電力の両方に効果がある。ちなみにEPYCのZen6ベースのVeniceもFOEB接続となっており、Zen5ベースのTurin以前のパッケージ基板とは、見た感じがちょっと違っている。

昨日のOpenAIの資金調達ラウンドで、300億ドルを出資したNVIDIAが提供する3GWの推論専用能力は、どうやら昨年提携したGroqが使われるようだ。Groqとの提携は非独占的ライセンス契約のようだが、NVIDIAはGroqの創業者をNVIDIA内に雇用して、開発体制を構築している。どの程度の内容化は見当はつかないが、3月のGTCで発表されるのではないかとみられている。Groq LPUはキャッシュメモリとの3D積層になるとみられており、LPUをラックにしてNVLINK Fusionでつなぐとみられている。GPUはFeynmanで、TSMCがSuper Lail(SPR)と呼ぶBSPD(背面給電)を用いたTSMC A16プロセスで製造される。Groqは言語処理ユニットで、Language Processing UNIT(LPU)と呼ばれる。XPUのXに、また新しいラインナップが出来た。

NVIDIAがVera Rubinのサンプルを出荷し始めたようだ。2026年後半に本格出荷とみられている。単なる感想だが、NVIDIAに限らずAMDもGPUを売り急いでいるように見える。どうやら今後、上で触れたGroqやいろいろなNPUが開発されて、CPU+NPUがメインで省電力で推論が可能な世の中になると、GPUは必ずしも重要ではなくなるのではないか、という見通しが出ているようだ。たしかに、十分に学習が進んだAIモデルがあれば、かならずしもGPUを積んだAIシステムが必要というわけではなくるかもしれない。また、それほど頻繁に強化学習するわけでもない企業などには、常にGPUが必要ではないという場合が増えるような気もする。つまりGPU+CPUの導入は、コスト面で不利になるかもしれないということだ。

自分の感覚でも、いま個人で強化学習するために1台が数十万円を超えるクラスのGPUを買う気にはなれない。そんなに頻繁に使わないだろうし、収益化できる見通しがないと手が出ないと思う。(企業相手に強化学習を請け負うという事業モデルはすでにあるし、これから増えると思うが) 創薬や気象予測のためのスーパーコンピューター用途もあるので、GPU自体の需要はなくならないが、昨年からAI半導体の需要が爆発的に伸びて、数年単位で数GWのAIデータセンターをインストールする巨額の契約が飛び交っている背景と理由は、推論がメインの世界がくると、やがてこの世の学習が飽和するときが来ること予見しているのかもしれない。そうすると、いまのうちにGPUを売っておかなければならない、と考えるのも無理はないような気がする。理由があるとすれば、以上のようなことではないかと、ふと考えた。

ここからTSMC関連の話題。TSMCの2nmプロセスについては、今後2年分の製造キャパが埋まってしまったらしい。昨年末から量産プロセスに入っているが、2nmを使うことを公表しているのは、AMD Zen6のCCDと、富士通のFUJITAU-MONAKAのコンピューティングダイで、これらが実物としてラインから出た段階かと思われる。製造中なのは、おそらくAppleシリコンで、NVIDIAがRubin-Ultraは使用予定であることを公表している。また、MediaTekが2nmで開発すると思われる。ファブについては、台南にあらたな2nmの製造拠点を建設する計画があるようだ。2026年内に手続きを完了し、2028年の製造開始を目指すとのこと。

TSMCのGaN事業からの撤退について、記事が出ている。TSMCが2027年7月までに、パワーデバイスのGaNファウンドリから撤退すると、昨年の夏に発表されていた。撤退後のGaN事業は、TSMCとGaN事業で提携していたロームが引き継ぐらしい。Ga(ガリウム)は、わりと古くから知られた半導体材料で、レアメタルのひとつだったと思う。

もうひとつTSMC関連。TSMCというか台湾自体に関することだが、米政府CIAが、2027年までの中国による台湾進攻のリスクについて、米テック企業に警告を発したとの記事が出ている。ここのところ、半導体供給が台湾一極になっていることへの懸念を示す記事が、増えているような気がする。2月24日付のニューヨーク・タイムズが、台湾をめぐるリスクについて特集をしていたようだ。

 

今日は週末モードで昼過ぎに起きた。外はすっかり暖かくて、冬の終わりを感じる。窓を開けておく。

 

午後はたまっていた紙ゴミをシュレッダーにかけて整理した。ちょっと古いタイプの機械なので音がやたら大きい。窓を開けたままでは近所に響きそうで気が引けるので、窓を締て作業する。

 

夕方には近所のスーパーへ買い物に出かけたが、週末のわりに客が少なくて妙に静かだった。なぜか店員も少なくて、棚の補充も追いついていない感じがあった。たまにこういう日があるけれど、理由はよくわからないまま買い物を済ませて帰ってきた。

2026年2月27日 営業月末日


そういえば、OpenAIの資金調達ラウンドで、NVIDIAが300億ドルを出資すると言っていたが、ソフトバンクが300億、Amazonが500億ドルで、1100億ドルを調達したようだ。NVIDIAからの出資は、3GW分の専用推論能力と2GW分の学習能力になるらしい。Amazonからの出資は新しい動きだと思うが、これによって、OpenAIはAWS上でTrainum3と将来的にTrainum4を含めて2GW分を確保したようだ。またAWS側はサードパーティとして、OpenAIの独占的サードパーティクラウドディストリビューションプロバイダーとなるとのこと。これはOpenAI FrontierというOpenAIのAIエージェント運用会社が、AIエージェントサービスを行う際には、AWS(Amazon Bedrock)のみを通じて提供するということらしい。2GW分のTrainumはそのために使用されるものと思われる。OpenAIの既存株主にはMicrosoftがいて協業関係にあるが、AzureではOpenAIのAIエージェントは提供されないようだ。Azureを通じた既存のOpenAIのサービス提供が継続されるもよう。AIエージェントのようなステートフルAPIはAWS、ステートレスAPIはAzure、という住み分けとみられる。

AWS関連でもう一つ。ルイジアナ州にデータセンターを建設するという記事が出ていた。120億ドル規模と書いてあるが電力単位では書かれていないようだ。現在、200MWの太陽光発電を含む電力供給網と、冷却用の水道の整備を行っているとのこと。87%が外気冷却とのことで、水冷設備ではあるが、ラジエータの熱交換は通常は外気冷却らしい。建設のための雇用(ポジション)は1500、データセンター運用のフルタイム職員のポジションが540程度創設されるとのこと。スーパーコンピューターの建設はすでに公共工事だが、データセンター建設も公共工事になっているようだ。 

ここからNVIDIA関連。NVIDIAの決算について、余波が広がっている。TSMCの収益に占めるNVIDIAの額は230億ドルになるらしい。割合にして19%で、2024年の12%から7ポイント上昇した。これに対して、AppleのTSMC収益に占める割合は205億ドル(17%)で、昨年の22%から5ポイントの減少となっている。結果として、AppleはTSMCの一番の顧客の座をNVIDIAに明け渡したことになる。 先月のTSMCの決算のときに、TSMCの一番の顧客がAppleからNVIDIAに変わったと言われていたが、今回の数字ではっきりしたと思う。

Eli Lilly社のNVIDIA GPUを使ったスーパーコンピューターが稼働したようだ。2024年の10月から構築を開始した1,016基のBlackwellを搭載したDGX SuperPODで、LillyPODと呼ばれているらしい。製薬業界ではもっともパワフルなものではないかとのこと。1ラックあたり72基のGPUが入るはずなので、1,016基だと14ラック+8GPUとなる。コンピューティングトレイは1トレイに4GPUなので、2トレイ分多い。どこかにあるのだろう。

metaについて。NVIDIAから数百万のGPUの供給を受けると発表したあとに、NVIDIAの決算発表の前々日にAMDからも6GW分のGPUの供給を受けると発表したmetaは、今度はGoogleからTPUの供給を受けると発表したようだ。分散投資のようなものだろうか。

つづいてAMD関連。AMDのリサ・スーCEOが、データセンター市場は2030年までに、1兆ドル規模になると発言したようだ。総務省の統計では、2024年時点で4,161億ドルらしい。2030年に1兆ドルになるには、年率16%くらいで成長することになる。データセンターが成長産業であることは間違いない。2020年あたりで、すでにメガデータセンター、ハイパースケーラーという言葉はあったように思うが、AI化の波が、投資の動きを急加速した。先々週のインドAIインパクトサミットのときに少し書いたが、国/地域別のデータセンターの規模は米国53GW、中国20GW、欧州13GW、インド1.6GWで、日本は2024年時点で1.37GWである。

AMDがNeutanixと提携したようだ。AMDから1憶5千万ドルの出資と技術提携が含まれており、技術的な共同事業には1億ドルが拠出されるとのこと。Neutanixはプライベートクラウドとパブリッククラウドにまたがる、ハイブリッドクラウドを構成するサービスを行う。おそらくプライベートクラウド側に、AIを含んだフルスタックを提供するための取組みだと思うが、これまでNVIDIAのGPUをサポートしていたところに、今回の提携でAMDのGPUもサポートされるようだ。機密保持の観点から、AWSなどのパブリッククラウドには秘密情報を保管しない企業は多いと思う。プライベートクラウドにも、AIエージェントが入る時代が来ていると思われる。ただし、Neutanixは、CPUやメモリの供給がネックになるため、業績見通しを下げたとのこと。

AMDからZen5ベースのSoranoが発表された。8xx5シリーズとなる。Sienaの後継で、64コアから84コアとコア数が増えている。Zen5かZen5cかはまだ分かっていないようだ。Zen5だと7コアのCCD(1コアが無効化)が12チップ、Zen5cだと14コアのCCD(2コアが無効化)が6つに必要になる。Zen5で12CCDだと、物理的には96コアクラスのEPYC 96x5と同じ構成になると思う。SP5より小型のSP6ソケットにいれるのであれば、Zen5c CCD x6の方が現実的かと想像するがどうだろうか。

インテル関連をひとつ。インテルファウンドリの上級副社長が、Qualcommに移籍したとのこと。先月、QualcommでGPU開発を長年リードしてきたエンジニアが、インテルに移籍していたような気がする。こういう人材交流はよく見られることではある。

あと、政治的な話題を二つ。Anthropicと米国防総省、通称ペンタゴン、現在の正式名称・戦争省が、AIの利用契約で少しもめているようだ。AnthropicのClaude AIについて、国防総省はあらゆる合法的な目的のもとであれば、無制限に使えるよう要求しているとのこと。契約額は2憶ドルらしい。Anthropicは難色をしてしているとのこと。

DeepSeekが、次期v4モデルを出そうとしてるが、GPUベンダーの早期アクセスリストからNVIDIAとAMDが外れているらしい。Huawei等の中国の国内ベンダーが数週間ほど優先されるとのこと。米国依存を減らし、自国のベンダーを保護する動きとみられている。

 

今朝はまあまあの天気だった。コーヒーで目を覚まして、ネットをつないで出社。

 

今月の営業日は今日で終わる。月内の仕事は片付いている。忙しかった数週間を思い返すと、ひと息ついた感じがする。なんとか乗り切ったなあと。

 

晩ごはんは、ほうれん草とにんにくスライスの炒め物で、香りがよくて食欲が戻った。ベーコンがあればよかったが、これはこれで悪くなかった。冬はほうれん草が美味しい。

2026年2月26日 曇り空

そういえば、今日(米国の2/25)はNVIDIAの決算発表だった。第4四半期決算と通期の決算が出ている。通期では2159億ドルの売上らしい。日本円で実に32兆3,850億円(150JPY/USD)となる。前年比+65%の成長とのこと。第4四半期だけでも681億ドルの売り上げで、前四半期比+20%の成長、前年同期比+70%で通年の成長率を上回っているということは、年度後半にかけての成長が大きかったということかと思われる。売上げの91%はデータセンターからとのことで、ここのところのAI半導体需要の過熱ぶりの主役は、NVIDIAであったことを実感させる数字となっている。

NVIDIAの業績は華々しいが、一方で株価は今一つ伸びていないようだ。伸びしろがない、ということではないと思われる。データセンター向けには膨大な数のGB300とVera Rubinが出荷されることになっており、メモリ供給のネックはあるがRTX 6090 GPUカードの需要もあるし、ノートPCに向けてN1/N1Xも控えている。投資家の懸念材料としては、AIバブルに対する慎重な姿勢と、AIがソフト業界を破壊する可能性の両方にあるようだ。つまり投資家は、AI投資が循環取引となってバブルがはじけて失敗する場合と、AIが本物でソフト業界を破壊してしまう場合の両方に挟まれている。AIが偽物でも本物でも、悲観論が出ているのが現状なのだろう。

先日来、CEOのジェンスン・フアンやAWSのマット・ガーマンCEOが、ソフト業界は破壊されない、未来は明るいと連呼しているが、 AnthropicがCOBOLを書き換えられると伝わるとIBMの株価でさえ、-13%とか-27%という下落率で動いている。SaaSも絶滅するのではないかと言われており、SaaS-pocalypseという造語まで出てきているようだ。SaaS業界のアポカリプスという意味だと思う。これには、ServiceNowのビル・マクダーモットCEOや、Saleseforceのマーク・ベニオフCEOが異を唱えている。顧客サポートの人員削減は実施しているが、AIエージェントによってSaaSは便利になったため、SaaSを利用する企業は増えているらしい。ジェンスン・フアンも、市場は間違っているというメッセージを出したようだ。AIエージェントはSaaS他、既存のソフトウェアを駆使して、これまでより多くの企業をサポートしていく。既存のソフトも必要だし、多くの企業をこれまでとは違う形でサポートするスタッフも必要になるだろう。おそらく、経営者には「AIが仕事を増やす型」が見えているに違いない。この先、株価が上に行き始めたときが、市場が納得し循環取引の懸念が払しょくされたときなのもしれない。

もうひとつNVIDIA関連。先月、米国政府がH200を中国へ輸出する許可を出し、中国側も輸入について前向きに検討しているという状況だったが、まだH200は中国へは入っていないらしい。輸出の許可が条件付き(まあさすがに無条件で出せると思わないが)で、安全保障上の監視がきついので、中国側で入手に踏み切る企業が現れないのかもしれない。

CPU関連でひとつ。Broadcomから、富士通のCPUが出荷されたとの記事が出ている。3.5D Face-to-Face Computing SoCと書かれているが、開発中のFUJITSU-MONAKA CPUと思われる。富士通が公開している資料のほか、TSMCシンポジウムやArmのイベントでも概要は聞いている。3.5Dというのは、2.5D実装と言われているシリコンインターポーザの上のチップレットのいくつかが、3DスタックLSIを用いていることを指していると思われる。コンピューティング・ダイはTSMC 2nmプロセスで製造されており、キャッシュメモリ・ダイは5nmプロセスで製造されている。これらをキャッシュが下でFace-to-Faceで貼り合わせているようだ。加えて、IO用のダイ(5nm)が搭載される。AMDの3D-V CacheもFace-to-Faceだが、AMDはCCDが下でキャッシュが上だったと思う。日本で継続的にCPUを作っている会社は、富士通だけになってしまった感はある。前回のCPUは、スーパーコンピューター富岳のA64FXでHBMがあったが、今回はデータセンター用ということでHBMは搭載していないようだ。今年の後半から量産とみられている。Broadcomとしては、この3.5D SoCテクノロジーをいろんなチップに展開したいようだ。


今日の午前中はどんよりしていて部屋の中が少し薄暗い感じだったが、昼前にようやく雲が切れてきて、窓の外が少し明るくなった。外気はまだ冷たい。


今日は珍しく予定が詰まっていなかったので、考える系の仕事に集中できた。午後の後半くらいから資料の形にしていく。まあなんとかなるか。


夕方は早めに切り上げて、スーパーへ買い物に行った。おかず難民にならないように食材を確保。いつものような豚肉とキャベツの野菜炒めに落ち着いた。 



2026年2月25日 ひさしぶりの雨

そういえば、AppleMac Miniの生産をアメリカで行うらしい。テキサス州のヒューストンにAdvanced Manufacturing Centerを開設して、AIサーバーの自国内製造拠点とするようだ。ソブリニティは今注目のキーワードである。おそらく製造ラインとデータセンター、Apple Intelligenceと人間のトレーニングが全部行えるような巨大な工場と思われる。テキサスの隣のアリゾナ州にはTSMCの工場(Fab 21)があるので、Mac Mini向けの半導体はそこから供給される。1憶個のチップ供給契約を結んだという記事も出ている。テキサス州内には、オースチンにArmやTI、Broadcomなどの重要な企業がある。 

Armといえば、先日の四半期決算が好調だったが、データセンター系のロイヤリティ収入がとくに良かったという記事が出ている。 12月にAWSがGraviton5をリリースして、インスタンスが利用可能になったので、おそらくそのタイミングで、AWSにArmチップとしてのロイヤリティが課金されたのではないかと思われる。コア単位の課金とすると、Graviton5は196コアあるので、1チップでかなりの金額ではないかと思う。そうえば、NVIDIAのVeraは1コアで2スレッド入っていて、88コア176スレッドである。コア課金なのだろうか。ちょっと気になるところではある。

Arm関連でもうひとつ。Armがインドネシア政府とエンジニア教育で提携し、1万5千人のチップ設計エンジニアを育成するらしい。先日、インドのQualcommで2nmのSnapdragonが設計完了したという記事があったが、チップ設計のエンジニアは、実は世界的に見て不足しているようだ。チップの設計には、基本回路となるゲート素子や少しまとまった回路である加算器や乗算器、内蔵記憶素子であるキャッシュメモリや、チップ外と通信するためのDDRやPCIeコントローラーなどの、いわゆるIPマクロと言われる回路が必要で、それらの回路設計者は不足している、という声は数年前から聞かれるようになっている。Armアーキテクチャや、Arm社のIPマクロといった世界中で使われている回路設計者を育成することで、技術者不足の解決と外貨を稼ぐことの両立を目指した取り組みと思われる。

オランダのASMLが、EUV露光機の光源の増強に成功したようだ。EUV光源が現行の600Wから1000Wへアップしたらしい。2030年に市場投入の見通しとのこと。1500W、2000Wも視野に入っているという記事が出ている。キロワット時代に入ったようだ。半導体製造へのインパクトとしては、ウェハのスループットが毎時220枚から330枚と50%増える見込みとのこと。問題はどこに納入されるかだと思う。EUV導入メーカーとしてはTSMC、インテル、サムスン(Global Foundries)、SKハイニクスと日本のラピダスが考えられる。EUVが設置されている地域も最近は増えてきた。台湾(TSMC)、アメリカのアリゾナ(TSMC)・アリゾナ/オレゴン/オハイオ(インテル)・テキサス(サムスン)・ニューヨーク(IBM他)、アイルランド(インテル)、韓国(サムスン/SKハイニクス)、北海道(ラピダス)、そして将来的には熊本のTSMCにも設置される。光源が増強されるということは先端ノードへの適用が可能ということでもあると思うので、台湾とオハイオのあたりが現実的か。もちろん確証はないが。

  

今日はいつも通りの時間に目が覚めたら、窓の外がうす暗かった。久しぶりの雨だと思いながら、コーヒーをいれてぼんやり外を眺める。

 

午前中から細かいタスクがぽつぽつ飛び込んできて、忙しかったが、午後になると周りが急にバタバタし始めて、ちょっとしたお祭り状態だった。こちらは逆に、淡々と仕事をこなすモードに入った。

 

気がつけば外は真っ暗で、残業を終えて帰宅。冷蔵庫に何もないと思っていたが、晩ごはんがすでに用意されていてたすかった。

2026年2月24日 火曜始まり


ところで、AMDmetaとGPUの供給で提携したらしい。先週、NVIDIAとmetaのGPU供給の締結があったばかりだが、今度はAMDの番のようだ。AMDのGPU、Instinct MI400番台を搭載したHeliosラックシステムを6GW分を、metaがインストールするとのこと。GPUはmeta向けの調整が入っているという情報もあり、MI400のカスタマイズドGPUではないかとの記事もある。CPUはEPYCZen6ベースのVeniceだが、Zen7のVeranoも視野に入っている。Heliosラック1台を0.2MWととすると、6GWで30,000ラックになる。1ラックにGPUが72基で、単純計算で216万GPUが納入される見通しとなる。216万台のGPUが出るなら、カスタマイズ版を製造しても利益はでるということか。当然1年では無理なので、複数年契約となっているようだ。また、今回もAMDの普通株式1憶6千万株のワラント付き契約となっている。今回も、というのはOpenAIのときと同じだからだが、どうやらHeliosの導入が進むと、metaがそれに応じてAMD株を分与されることになっているらしい。1憶6千万株を一気に発行するとAMD株が希薄になるので、段階的に分与していく仕組みのようだ。GPU数の他に、その時点での株価にも条件があるらしいとのこと。metaがGPUを購入してAMDの業績が上がると、その分の株が分与される。この仕組みは、OpenAIのときには循環取引ではないか、との指摘が上がっていたかと思う。AMDの狙いとしては、時価総額でもNVIDIAに追随したいということだと想像する。(AMDの時価総額は、NVIDIAの10%にも満たない状況ではあるが)

そのNVIDIA関連でいくつか。NVIDIAがノートPCに進出するのではないかということで、N1/N1Xの発表が近いのではないかとの記事が出ている。N1/NX1のCPU+GPU自体は、すでにGB10として市場に出ている。GB10というが、CPUはArm Cortex X925とCortex A725のハイブリッドで、Graceではないと思われる。Graceに使っているC1はX925の後継だったと思う。また、GPUはBlackwellアーキテクチャだが、性能等は落とさざるを得ないと思われる。NVIDIAの狙いとしては、CPUと統合GPU(iGPU)の市場にあるようだ。2026年前半に発売のうわさはまだ消えていないが、1月のCESでの発表見送られた。3月のGTCで出るかどうかも微妙なようだ。なんといっても、コンシューマ向けは、今年は環境が悪いと思う。

もうひとつNVIDIAで、シンガポールのAI導入を推進するために、シングテル社と提携したようだ。シングテル社はシンガポールの総合通信大手。公共と民間で、応用AIセンター・オブ・エクセレンスを設立したとのこと。また、先週開催されたインドAIインパクト・サミットでは、CEOのジェンスン・フアンは欠席したが、Omniverseプラットフォームでタタ・モータースの自動車工場のデジタルツインを作成したり、倉庫会社とロボット学習に向けた取り組み始めるなど、インドのフィジカルAIを推進する取り組みを始めているようだ。

つぎにNPUの話題。インテルがSambaNovaを買収しようとしていたが、あきらめたとの記事が出ている。ただし、SambaNovaが調達した資金の一部にはインテルも参加しているとのことで、出資関係に落ち着いたようだ。技術的な提携も含まれており、複数年の協力関係となるらしい。SambaNovaのSN50チップとXeonを結合したシステムを構築するようだ。インテルのコンシューマー系CPUに搭載されているNPUは買収したMovidiusからの発展だと思うが、SambaNovaは、Xeonとの組合わせになるのだろうか。

最後にソフト系の話題。メインフレームで使われてきたCOBOL言語について、AnthropicがClaude Codeで高速に書換えが可能とブログで公表したらしい。その影響でIBMの株価が13%ほど下がったという記事が出ていた。COBOLの書換え自体は、ずいぶん昔から言われているし、IBMでもJavaに書換える取り組みをしているようだ。これまでいろんな取組みがあったが、株価に影響したというのは記憶にないような気がする。今回、Anthropicのブログが影響したのは、AIコーディングにソフト業界自体が反応しやすくなっている事例のひとつとみられているようだ。現実的ではないかもしれないが、逆にCOBOLに置換えることもできると思うと、言語に縛られない世界が来ているような気もするが、どうなのだろう。


今日は火曜始まりで仕事が動き出して、午前中は全体の状況を眺めつつゆっくり進んだ。連休明けのわりに、静かに助走していく感じのスタート。

 

昼過ぎから会議があって少しあわただしくなったけれど、大忙しというほどではなく。適度に流れて、気づけば午後が一気に過ぎていった。

 

少し残業してから帰宅して、豚肉とにんにくの芽を炒めた。香りだけで元気が出そうな感じで、食べ終わるころには今日の疲れもだいぶ抜けていた。こういうシンプルな料理が一番しっくりくる日もある。


2026年2月23日 連休最終日

そういえば、インテルがCPUのPコアとEコアを統合したユニファイド・コアを設計するらしい。正確にはユニファイド・コア向けプロジェクトメンバーの採用を計画しているらしいということで、これがPコアとEコアを統合したものかは定かではない。ただ、過去にジム・ケラーが企画していたロイヤル・コアというプロジェクト(Beast LakeというCPUコードネームもあったようだ)があり、それはPコアとEコアに分離されていなかったそうだ。実のところ、Core i 12世代のAlder LakeでPとEを分離したのは、10nmのままで電力を下げるための方策として、Atomベースのシングルスレッドコアを持ってきたような気がしないでもない。Alder LakeのINTEL7プロセスはIntel 10nm enhanced Superfinテクノロジで、実質10nmプロセスの改良版だったと思う。最小回路線幅はそのままで回路を詰め込むと、電力は当然上がる一方なので、コアのアーキテクチャをPコアとEコアに分けたのではないかと思われる。一昨日も書いたが、シングルスレッド性能が上がってメニーコアになると、SMTはそれほど重要ではなくなると思われる。Core Ultraでは第二世代(Lunar Lake/Arrow Lake,TSMC 3nm)からPコアのLion Coveがシングルスレッドになっている。微細化が順調に進む前提に立てば、PコアとEコアは統合できるのかもしれない。

インテルでもうひとつ。サーバー、データセンター向けのインテル製3000W電源について、記事が出ているようだ。出力は12Vなので250Aとなる。空冷ではなく水冷となっている。パワーデバイスとしてGaNSiCが使用されており、80plus Platinum認証をとっている。データセンターだと、水冷用の水道管を通すと思うが、サーバー単体だとAIO(All-in-One)のラジエーターをぶら下げるのだろうか。

少し変わったところで、量子コンピュータ関連の話題。IBMがイタリアのカンパーニャ州に納入する量子コンピュータの契約が停止になったらしい。IBMの提案に問題があったわけではなく、入札手続きへの疑義が生じたためのようだ。イタリア南部に「量子バレー」を構築するプロジェクトがあり、その進展が遅れるのではないかとのこと。

 

今日は3連休最終日という言葉を反芻しながら、昼過ぎにのそのそ起きてきた。外はかなり暖かいらしく、もはや暑いと言ってもよさそうな空気。窓の外は遠くがかすんでいる。

 

昨日は外出したので、今日は家の片づけをしながらゆっくり過ごした。夕方になってふと外を見たら、日暮れのタイミングが前よりだいぶ遅くなったような気がする。

 

晩ごはんは牛肉とほうれん草の炒め物にして、しっかり食べてから近所を少し散歩した。夜なのに歩いているうちにじんわり汗をかいてきて、今日は本当に2月とは思えない暖かさだったなあと改めて思った。 

2026年2月22日 猫の日

ところで、NVIDIAが、アイダホ州にあるアイダホ国立研究所(INL)と、原子力AIアプリの開発で提携したという記事が出ていた。INLで開発する原子炉の設計・製造・構築・運用にNVIDIA社の技術を応用するものと思われる。ジェネシス計画の一環であり、米国エネルギー政策の一部として行われるもよう。デジタルツイン技術を用いるとあったので、オムニバースを利用すると思われる。原子炉内部の核反応のAI学習用モデルが出来て、オープンソースで提供されたりするのだろうか。(核開発に利用される懸念があるから少し考えにくいか)

もうひとつNVIDIA関連。数年前から、ちょくちょくGPUカード(グラボ)の拡張電源コネクタが溶ける(燃える)、という話を見かける。その対策なのか、DELLのパソコン内部ではグラボの拡張電源に、ネジ止め式のコネクタを付けている物があるとの記事が出ていた。ワイヤが揺れてコネクタの接触抵抗がばらついたりするの抑止しているのではないかと思われる。ハイエンドデスクトップでは、1000W超える電源が必要な場合もあるだろう。大電流が流れる場合、接触抵抗が少し大きくなるだけで電圧降下も大きくなるし、いわゆるジュール熱でけっこうな発熱となる。例えば、消費電力400Wで12Vだと33A流れるが、接触抵抗や発熱の温度上昇で10mΩ増えると0.33V電圧が下がる。センサーがこれを検知して補償するために電圧を上げるともっと電流が流れて電圧降下が大きくなって、もっと電圧を上げて…を繰り返すと燃える。きっかけは抵抗値の変動である。

カナダのトロントにあるTaalasというスタートアップが、HC1というAIチップを開発したという記事が出ていた。TSMC 6nmで製造しているらしい。生成AIのLlama 3.1 8Bをハードワイヤードで搭載しており、性能はちょっと目を疑ったが、17,000トークン/秒(TPS)を達成したらしい。先週、Llama 3.1 70BをCerebrasに搭載して2,100TPSで動くと書いた気がするが、パラメータ数が8Bと70Bで違うものの、1桁上の性能が出ている。同社によるとBlackwellより2桁速く、トークンコストは20分の1で、空冷が可能とのこと。たしかに、専用ハードにすると高速・省電力になるというのは一般常識ではあるが、ハードワイヤードなので、他のLLMには対応できないし、このチップ単体では強化学習ができるのか、ちょっと気になった。同社によると、LLMの変更は配線層の変更で対応可能としているが、2ヶ月かかるらしい。変更する配線層の層数や下から何番目の層かによるが、半導体のマスクセットで一番微細なのは、トランジスタとのその直上のメタル配線で、その上の層になると、いわゆる逆スケーリング則でだんだんと配線幅やピッチは広くなるし、マスクも比較的安価にはなる。ただしピッチが広いと配線可能な本数が減るので、配線が足らなければ層数を増やす(つまりマスクコストも増える)必要があるし、増やす層数にも限界はあると思う。また、チップサイズが815mm2ということで、約28mmx29mmという計算になるが、これはほぼチップの製造限界に近いはずだ。3nmにするとすこし小さくなると思うが、これもウェハコストとの兼ね合いとなるだろう。しかし、LLMをハード化するどれくらい速くなるかという点では、非常に興味深い取り組みだと思う。コアとなるLLMをハードワイヤードで構成し、強化学習などはGPUで補助するようなハイブリッドシステムが考えられるとしたら、電力や性能の面で面白いと思う。

ソフトバンクグループの孫CEOが、アリゾナにAI・ロボティクス産業団地を構築するという「アリゾナAIメガプロジェクト」構想を打ち出しているようだ。研究開発拠点には半導体製ユニットが含まれ、技術者向け住宅、スマートグリッドを備えた、技術開発都市となるもよう。ロボティクスも視野に入っているとすると、フィジカルAIの拠点ということかと思われる。ソフトバンクグループとしては、昨年スターゲイトプロジェクトに参画してOpenAIにも投資をしている。また、保有しているArmとしてはプロセッサを自社開発することにして、Amepere Computingを買収したと思うが、具体的な出口戦略を固め始めたというところだろうか。

 

今日は日曜らしく昼前にようやく起きた。部屋を掃除するとき窓を開けたが、かなり暖かかった。風が気持ちいいので開けておきたかったが、花粉が入りそうなので、ちょっと迷ってしまう。すっかり春が近い感じ。

 

掃除のあと、羽田空港へ買物に出かけた。ついでにコーヒー豆も買う。さすがに人が多くて、連休らしいにぎわいがあった。国際線到着ロビーには外貨を電子マネーにチャージできる機械が置いてある。家にある外貨を持ってくればよかった。

 

日が暮れるころに帰宅。晩ごはんは豚肉の野菜炒めにした。ニュースを見ていたら、やっぱり今日は全国的に暑かったらしい。外の暖かさにも納得した。

2026年2月21日 連休初日


そういえば、インテルのNova Lake-Sも2027年に発売とのうわさが流れてきた。2026年末に発売とみられていたが、年を越すようだ。昨日、AMDZen6ベースのRyzenが2027年になるだろうとの記事を読んだところだが、インテルも同じことになるようだ。ただ、AMDの場合はZen6のEPYCを優先するのでコンシューマー向けのRyzenを遅らすのだろうと理解したが、Nova Lakeの方はIntel 18Aラインが空かないからだろうか。おそらくその時期に作っているのは、Xeon6+EのClearwater Forestか、Xeon7のDiamond Rapidsと思われる。いずれもデータセンターかHPC向けだ。やはり今年は、コンシューマー市場は環境がわるそうだ。

インテル関連でもう一つ。インテルのオレゴン拠点で6,000人規模の人員削減があり、企業としての安定性が少し疑問視されているらしい。インテルの米国拠点というと、研究者の間ではオレゴン州(OR)が良く知られていると思う。Intelが出している研究論文は、だいたいが「Intel Corp.  Hillsboro, OR」と書いてある。要するに研究開発拠点だが、そこも人員削減というのは寂しい話ではある。

ここ、2,3日でAWSのコーディングAIがサービス停止を招いたという記事がたくさん出ているようだ。AWSのコード生成AIはKiroというツールで、オペレーションも行うらしい。停止したというのは去年の12月のことで2回あったというが、そんな話題はなかったような気がすると思っていたら、これは中国での話のようだ。ひとつは13時間の停止、もう一つの停止は顧客からは見えなかったとのこと。情報ソースはAWS社内からのリークのようだが、公式見解としては人為的ミスらしい。いくつかの記事を読んだが、要するにKiroがシステムを削除して再構築することを選び、人間を介さず実行したが、Kiroを使っていたユーザーの権限が広すぎて大規模な影響があったということのようだ。Kiroの問題かユーザーの問題か、微妙ではあるが、おかしな点はいくつかあると思う。ひとつは人間を介さず実行する点と、もうひとつは広い権限を持つ人間をユーザーと呼んでいる点だ。ユーザーというのはKiroのユーザーかもしれないが、AWS内では管理責任を持つ従業員だと思うが、どうなのだろう。また、人間を介さず実行するのは、取り返しのつかない事故を防ぐためにやってはいけないことだ。「責任をあいまいにするからやってはいけない」のではない。発明王・エジソンの昔から、自動化は便利だし頼りたくなるが、フェイルセーフやフールプルーフが確保されてない環境で自動化してはならない。これは、血文字で書かれた歴史の教科書にある言葉だと思う。AIは賢いが、血は流れていないので注意が必要である。AWSでは、先月末に1万6千人の削減について、発表前にメールで通知が出て記事になっていたと思うが、こういう話が内部から出てくるのは、人員削減が相次いでいるからではないかという気もしてくる。

AWS関連でもう一つ。やっと技術的な話ができる。AWSのHpc8aインスタンスがリリースされたらしい。前世代のHpc7aインスタンスからメモリ帯域幅が42%向上とのこと。CPUはAMD Zen5ベースのEPYCで192コアと書いてあったが、192コアとなるとZen5c(Turin)だと思われる。TSMC 3nmで製造されている。Zen5もZen5cも1コア2スレッドだが、SMTはオフにしてあり、192スレッドらしい。たしかにHPC用途では、同じタイミングで一連のデータを順番通りに処理する。シングルスレッド性能が重要で、SMTは重要視されないのが普通かと思う。データセンター向けでもノイジーネイバー問題やセキュリティ上の懸念があるので、SMTは無い方が好まれる傾向もあるようだ。また、シングルスレッド性能が高くてメニーコアになると、CPUとしてのスループットは上がるわけで、SMTは少ないコア数でスループットを上げるには有効な機構だが、かつてほどには必須の機構ではなくなっているのかもしれない。

最後に政治的な話題。米国で、トランプ関税が違法という司法判断が出た。TSMCの巨額の対米支出(予定)がどうなるか気になるが、司法判断は、支払われた関税を返金するかどうか、どのように返金するか、ということには触れていない。また、代替えの根拠法はいくつもあるようなので、事態は変わらないだろう。さらには、正式な手順として大統領令があって議会が承認すれば法律として成立するので、そうなる可能性は高いと思う。一喜一憂しても始まらないような気がする。トランプ大統領の会見では、台湾が半導体技術を盗んだことになっているようだ。1980年代のDRAMの時代であれば、確実に日本が名指しされていただろう。台湾にちょっと申し訳ないような気もする。

 

今日から3連休。張り切って朝早く起きてした。小学生か。実は昨日の日記を書いていた。1日スキップしたら記事が増えていて大変だ。

 

昼前に眠気が押し寄せてきて、そのまま昼寝に突入した。せっかく早起きしたのに帳消しになった気もするけれど、まあ休みだし。よしとする。

 

夕方になってから買い物に出かけた。スーパーに入ってしばらくしたら、急に人が増えてきた。値引きシールの時間帯に突入したのかもしれない。なんとなくあわただしい。そんな空気を横目に、必要なものだけさっと買って帰った。

2026年2月20日 1日スキップ

そういえば、一昨日記事が出ていたNVIDIAmetaの提携について、影響が広がっている。データセンター分野にNVIDIAが大々的に参入してきたということで、インテルやAMDへの影響を懸念しているらしい。すでにmetaはNVIDIAの顧客としては2番目のボリュームらしいが、AI用途としてのGB300Vera Rubinの導入だけではなく、データセンターとしてArm CPUを導入するということで、x86への影響を気にしているようだ。NVIDIAのこの動きには、いろいろな側面があると思う。

少し詳細に述べてみたい。昨日はブログをお休みしたので。 

ひとつはデータセンターとしての動きで、NVIDIAはAIファクトリーと呼んでいたが、実態はメガデータセンターそのものではないかということだ。もとはDGX-Super PODだったはずで、AI学習用だったものが推論も取り込み、トークン単価を下げることで普及・拡大を図った。それをラックで供給することでスケールアウトし、Arm CPU単体も供給することで、メガ・AIデータセンターのサプライヤーに至ったということかと思う。

つぎにCPUを見ると、Graceは72コア、Veraは88コアのArm CPUとなっている。ArmというとAWSのGrabviton5が196コアだが、Veraは1コア2スレッドなので172スレッドとなる。対x86ではXeon6Eが144コアx2ソケットで288コアだが、Veraはスーパーチップの構成では1トレーあたり2つのスーパーチップが乗るので、おそらく2ソケット構成が可能と考えると、344スレッドとなる。AMDのTurin(Zen5c)が2ソケットで768スレッドを実現しているので、上を見ればきりがないが、Veraは現行世代としてはデータセンター向けCPUとしては遜色ないと思われる。

そしてGPUだが、スーパーコンピュータでは、すでにCPUよりもGPUの方が搭載数が多い。2018年にIBMとNVIDIAでORNLのSummitを構築したときは、IBM POWER9 CPU2基に対してVolta GPU 6基の割合となっている。GB300やVera Rubinだけでなく、AMDのHeliosもCPU数よりGPU数の方が多い。こう考えると、AIデータセンターは、スーパーコンピュータの構成に近いものになったと言うことだろう。

もっとも大きな点は、サーバーとしての動きだと思う。富岳のA64FXで富士通がArm CPUにSVEを組込んだことで、Armがスパコンに使えることが示された結果、Armv9アーキからSVE2が入った。これで、それまでのスマホのCPUから、サーバーCPUとしてのプレゼンスが高まったように思われる。その後パソコン向けにはAppleのMシリーズやQualcommのEliteが存在感を増したものの、富士通のA64FXやAmpere ComputingのAltra-MaxやAmepreOneなどを載せたArmサーバーは、存在感が増すことはなかったと思う。つまり、NVIDIAの今回の動きは、AIデータセンター向けに、Arm CPUをベンダー(NVIDIA)が大量に供給するという意味になると思う。これは、アーキテクチャライセンスの販売とは、明らかに違う。

meta(旧Facebook)は、データセンター向けハードウェアの標準化団体OCP(Open Compute Project)を創設し、Google、MSとともに推進している。HPEやSupermicorはOCP準拠サーバーのサプライヤーである。去年の10月に、ArmとNVIDIAとAMDがOCPのボードメンバーに加入した。AMDのHeliosラックもOCPに準拠していたと思う。今回、metaがNVIDIAからArm CPUを購入し、OCPサーバーを構築するものと思われる。

以上がNVIDIAとmetaの話である。 

以下、投資の話がたくさん。NVIDIAのOpenAIへの投資1000億ドルの行方が良くわからなくなっていたが、OpenAIの資金調達ラウンドで、NVIDIAが300億ドルで参加するらしい。ただし、先の1000億ドルの投資とは関係ないとの話もある。また、韓国では2030年までに26万台のNVIDIA GPUを導入する計画があり、昨年の1万3千台につづいて今年は1万5千台のGPUが入るらしい。

インドAIインパクトサミットが開催されているが、NVIDIAもインドへの投資を表明したようだ。 ムンバイやチェンナイに合計70MWのデータセンターを建設中で、そこに納入する見通しらしい。数日前に、AMDとタタ・コンサルタント・サービシィズ(TCS)の提携があったが、OpenAIもTCSと提携して、100MWから始めて最終的には1GWに達するAIデータセンターをつくると表明したとのこと。投資だけではなく、ヒューマノイドを展示していたQualcommは、タタ・エレクトロニクスと車載向け半導体製造で提携したらしい。アッサムにOSAT施設があるようだ。投資や提携ではないが、富士通の時田CEOが講演したとの記事が出ていた。専門スキルのAIへの過度な依存はリスキーであり、AIは、専門家と一般従業員や顧客を含む非専門家とのコミュニケーションを促進することで、より豊かな発想や創造性をサポートする存在であるべきだ、ということらしい。それが根底にあることで、どの業界もより発展し、仕事が増えていくと思う。NVIDIAのジェンスン・フアンや、AWSのマット・ガーマンも同じことを言っていると思う。AIが仕事を増やしていく構図が見えてきたような気がする。 

AMDが、オハイオ州のデータセンター事業者Crusoe社の資金調達の保証人になっているという記事が出ていた。ゴールドマンサックス(GS)からの融資で、AMDのチップそのものが担保になっているらしい。AMDもGSも認めてはいないとのこと。 

Googleは、クラウドコンピューティングの新興企業であるFluidstackに1億ドルの投資を持ち掛けているとのこと。同社のTPUの導入先を探しているらしい。AnthropicがTPUを導入しているが、AIコンピューティングパワー全体の中ではNVIDIAが1強なので、なんとか勢力を拡大したいということのようだ。作って売る時代ではなく、出資して使ってもらう時代なのかもしれない。 

ここからやっとチップの話になる。AMDのZen6を用いたRyzenが、2027年に遅延するとの記事が出ている。Zen6はTSMC 2nmとみられている。社内テストでは6.5GHzで動いたとの記事が出ていた。2nmの試作チップがもうできているということだろう。Zen6を用いたEPYCのVeniceがHeliosに搭載されており、すでに製造と出荷が計画されているので、そちらを優先していると思われる。またコンシューマーではメモリの入手が絶望的との観測もあり、すくなくとも2026年にはZen6 Ryzenがデビューする環境が整わないようだ。

もうひとつAMDで、Radeon RX9060 XTが冷却を強化した環境で、4.769GHzで動作したとのこと。GPU OCの世界記録らしい。

ソフトウェア関連を少し。Linuxカーネル7.0でIntel 440BXチップセットのドライバーが削除されるという記事が出ていた。私事だが、2000年に組立てたパソコンのASUS製マザーボードが440Bを使っていたと思う。ちょっと懐かしい。CPUはPentium-III(Coppermine,0.18um)で、当時はソフトも無いのにデュアルCPU構成にしていた。自分でも何がしたかったのか、よくわからないが。

Intelが開発を中止したと言われているGitHub上にあるOpen-PGLは、アカデミックソフトウェアファウンデーション(ASWF)に収蔵されるようだ。ASWFはLF(Linux Foudation)がホストするプロジェクトのひとつ。

 

今日は少し早めに起きた。昨日はスイッチが落ちるみたいに眠ってしまった。コーヒーを飲んでようやく体が動き始めた。

 

まとめ仕事を頼まれていたものの、午前中は細かいタスクをひたすら捌いていたら時間が足りなくなった。そのまま昼休みに突入してしまう。午後イチでなんとか提出して、ひとまず義理は果たしたという感じ。

 

昨日、飛び込みで入ってきた仕事の下ごしらえをしていたら、少し残業になってそのままウェビナーに参加してから帰宅。疲れたけど、金曜だから良しとしよう。

2026年2月18日 緩んだ空気

そういえば、NVIDIAArmの株式を全部売却したようだ。NVIDIAがArmを買収するという話が出たのは2020年だったような気がする。当時の買収は失敗に終わったが、今回全部売却したということは、Armは2023年にNASDAQに再上場しているが、今後のArmの株価はNVIDIAには影響しなくなったということかと思う。GraceやVeraなどのArmアーキテクチャのCPUがなくなるとは思えないが、Intelに出資している関係もあるので、今後の展開は要注目かもしれない。

もうひとつNVIDIAで、metaGPUの供給契約を結んだようだ。まず現行のGB300、そしてVera Rubinと続くらしい。納入先のmetaは、2026年のマルチギガワットAIファクトリーPrometheusと、数年後の5GWのAIファクトリーHyperionに導入する予定とのこと。GPU数だと数百万GPUになるとのことで、何とも想像がつかないが、1月の末にジェンスン・フアンが、台湾総出でGPUラックを作れるように根回ししていたのは、このためかと思われる。

 

今日から少しずつ暖かくなるらしい。まだ冬の名残はあるが、ようやく季節が動き出した感じ。

 

仕事はようやく片付きつつある。気がつけば2月も後半に入っていた。2月は短いので時間の流れが速い。

 

晩ごはんは牛肉と玉ねぎをさっと炒めて、シンプルな一皿でお腹を落ち着かせた。昨日から晩ごはんのあとはとにかく眠くてしょうがなくて、食後は一日の疲れがまとめて押し寄せてくる感じがする。

 

2026年2月17日 小雨

ところで、昨日から開催のインドAIインパクトサミット2026で、Qualcommがヒューマノイドを出展したらしい。Qualcommには、ロボット・自動車部門があるそうで、ヒューマノイドに限らず、家庭用から産業用自律移動ロボットまでカバーする汎用ロボティクス・アーキテクチャを構築しているとのこと。スマホ/PCや通信用のチップ以外の話題は、あまり見かけたことが無かった気がする。

もうひとつQualcommで、同社が通信規格の5Gに関する基本特許を持っている関係で、スマホを開発する会社は、Qualcommから特許使用のライセンスをうける必要がある。当然タダではないので、ライセンス料はロイヤリティとしてスマホの料金に乗せられるが、英国でQualcommが不当にロイヤリティを徴収してスマホの代金が上がった、けしからん、という集団訴訟が起きていたようだ。まあ当然不当な話ではないわけで、このたび無事に集団訴訟が取り下げになったらしい。ちなみに5G端末で$16程度らしい。

スマホといえばCPUのアーキテクチャを提供しているArmに関して、テキサスのオースチン拠点にAI半導体研究施設を設立するとの記事が出ているようだ。テキサス州政府の補助が出ているらしい。これまではNeoverse N/Vのアーキテクチャと関連するIPの販売だったが、CSS(コンピュートサブシステム)販売に移っており、去年のは自前でもチップを開発すると発表していたと思う。当然これまでもTSMCやサムスンでCortexなどが製造されていたわけなので、自社でチップを作ることは可能だと思う。半導体製造としてはスマホメインが終わろうとしていて、HPC/AIがメインになろうとしている。Armからどういうチップが出てくるかは、少し注目しておきたい。

AI関連で、NVIDIAからGB200とGB300に関するプレスリリースが出ている。いずれもHopperベースのプラットフォームにくらべると、1MトークンのコストがGB200 NVL72で10分の1、GB300 NVL72で35分の1になったとのこと。さらに、GB300 NVL72では、メガワット当たりのスループットが最大50倍を達成したらしい。GB300 MVLはMS、CoreWeave、OCI(オラクル)で導入が進んでいるとのこと。CoreWeaveは、Vera Rubinの導入を決めたという記事が、先月末に出ていた。 Vera RubinではBlackwellに比べてMoE(Mixture of Experts)推論で1Mトークンコスト10分の1、メガワット当たりスループット10倍とのこと。

もうひとつAI関連。富士通から「AIドリブン・ソフトウェア開発プラットフォーム」が発表されたようだ。人手不足・保守の代替え・人月計算からの脱却、という3つの課題に応えることが可能らしい。日本の、SE(システム・エンジニア)という業種を理解する必要があるかもしれないが、顧客の情報システム部門の要求に応じて、システム構築やコーディング・保守といった実務をAI化することで、作業に追われていたSEが顧客とじっくり話ができるようになることを期待しているようだ。AI化の中心は、日本語LLMのTakaneが担うらしい。2・3日前にも書いたがCohere社との共同開発による富士通のLLMのようだ。顧客部門が作成した仕様というと、ローカルな言葉使いや暗黙の了解が山ほどあるように思うが、そこを日本語でうまくさばけるようになっているように読める。AIが実社会に入っていく一つの形だと思うので、今後に注目したい。

 

今日はまた空気の冷たい朝だった。コーヒーを一口飲んだところでようやく頭が動き始めたような気がする。火曜日の朝としては、まあこんなものだろう。

 

昼過ぎに雲が切れて少し晴れた時間もあったが、基本的にはどんより曇ったままだった。気温もほとんど上がらず、そのまま日が暮れていった。

 

少し残業してから帰宅。スーパーへ買い物に向かった。帰り道でぽつぽつと雨が落ちてきた。乾燥した季節もそろそろ終わりに向かっているのかもしれない。傘は持っていなかった。

 

2026年2月16日 氷雨

そういえば、今週はインドAIインパクトサミットが開催されている。インテルのインド地域担当副社長のインタビュー記事によると、インドは世界のデータの20%を生成しているが、世界のサーバー容量の2%しか所有していないらしい。データーセンターの電力で見ると、米国53GW、中国20GW、欧州13GW、インド1.6GW(2027年までに+1.7GW)とのこと。発展の余地があることは疑いの余地がない。

そのインドに、AMDHeliosを納入するとのプレスリリースが出ていた。規模は200MWらしい。Helios1ラックで0.18MWくらいらしいので、0.2MWとしても1000ラック程度が納入されると考えてよいだろう。1ラック当たり72基のGPUが乗るので、1000ラックで72,000GPUを作ることになる。タタ・コンサルタンシー・サービシイズ(TCS)の子会社のHyperVault AI Data Center LimitedがAIプラットフォームとして導入するとのこと。先月の中ごろに、AMDとTCSが提携したという記事を読んだ気がする。

AMD関連でもう一つ。ソフトバンクからプレスリリースが出ていたが、AMD製GPUを分割利用するオーケストレーターを、AMDと共同で開発したらしい。AMD Instinct GPUにはパーティショニング機能がある。来月の、バルセロナで開催されるMWCでデモを行うとのこと。似たようなところで、富士通のAI Computing Brokerというのを聞いたことがある。あちらはNVIDIAのGPUを、分割して使う仕組みを提供していたと思う。NVIDIAの方はMIG(Multi Instance GPU)やvGPUといった機能がある。これらの分割利用は、GPU不足に有効という面もあるだろうが、GPUサーバーをより多くの人に使ってもらって、投資を早く回収するのに必要な仕組みという気がする。 

 

朝はよく晴れていた。明日は寒くなるらしいが、まだ空気はそこまで冷え込んでいない。今日からまた一週間が始まる。

 

午後から仕事が一気に忙しくなってきた。昼を過ぎたあたりから空がゆっくり曇ってきて、部屋の明るさがじわっと落ちていく。

 

晩ごはんは鶏肉と玉ねぎを炒めてオムレツにして、いわば親子オムレツみたいな一皿になった。食後にゴミ出しに行こうと思ったら、外ではすでに冷たい雨が降っていた。

 

2026年2月15日 季節外れの暖かさ

そういえば、DRAMが高騰しているおかげで、今年は計算機関連のメーカーは業績が心配だと言われているが、アマゾンの通販でもボックス品のCPUが売れなくなっている、という記事が出ていた。自作ユーザーも、データセンターがメモリを吸い込んでいる代償を払っているということらしい。GPUカードも、最近ようやく品種が戻ってきたが、最低価格は値上げになっている。

少し前に、「ミニ情報」 として、1月のWindows Updateで、「2026-01 セキュリティ パッチ (KB5074109) (26200.7623)」をインストールすると、NVIDIAのグラボでフレームレートがい落ちたりする、と書いたが、2月のWindows Updateで配信されるKB5077181を当てると、その不具合は解消されるとのこと。その他の不具合を解決するパッチも入っていて、まさかの「メモ帳の脆弱性」も解決されるらしい。そのうち降ってくるのを待つことにする。

一昨日、AWSのCEOがAIがコードを書くことに、市場や業界が過剰に反応していると発言したという話を書いた。これを実証する形で、10年くらい前に、AWSがソフトウェアのシェアを大きく奪ったときも「終末論」みたいな話は出たが、結果として倒産したソフトウェア会社はなかった、という記事が出ていた。思えばパソコン通信のころにフリーソフトがでたり、UNIXにはGPL(いまではOSSか)があったり、そもそもLinuxがフリーで出てきたり、WebでSaaSが始まったり、いろいろな変遷があったと思うが、ソフト業界はなくなっていない。

 

今日も気づけば昼までぐっすり寝ていて、脳みその芯までじんわり休まった。平日の疲れがようやく抜けた。

 

外はかなり暖かそうで、ニュースでも季節外れの暑さが話題になっていた。でもまだ寒くなる日があるらしいので、気は抜けない。

 

晩ごはんは昨日に続いて豚肉とピーマンの炒め物で、今日はカレー風味にしてみた。スパイスが効いていてごはんが進む。同じ素材でも味付けを変えるだけでだいぶ気分が変わるなとしみじみ思った。

 

2026年2月14日 土曜の遅起き

そういえば、インテルが、量子コンピューティング向けのSDK(Intel Quantum SDK)に含まれるIntel Quantum Passesを終了したらしい。詳細はよく理解していないが、本来は、量子コンピュータ用のプログラムを量子コンパイルして、Tunnel Fallsなどの量子チップに実行させるところだが、量子コンピュータの代わりにHPCやGPUをベースにした量子シミュレータを使う場合には、量子シミュレータ用にコンパイルする必要がある。この量子コンパイルと量子シミュレータ用コンパイルの橋渡しをするのがQuantum Passesと思われる。ちなみに、IntelはTunnel Fallsという量子チップを作っており、研究機関へ提供している。1月の中頃に、アルゴンヌ研究所に提供したという記事を読んだ気がする。先日、CPUの機能を追加購入するIntel On Demand (旧SDSi)が非公式ではあるが廃止になったようだし、インテルのオープンソースへの取組みが中止される流れとなっている。

インテルのNova Lake-S 52コアが、電力制限を外すと700Wになるのではないかと言われているが、コアの構成は16Pコア16スレッド(Coyote Cove, Intel 18A)、32Eコア32スレッド、4LP-Eコア4スレッドらしい。すべてシングルスレッド/コアとなっている。CORE Ultraシリーズは、第1世代のMeteor Lakeまで2スレッド/Pコア(Redwood Cove, INTEL4)だったが、第2世代以降はシングルスレッド/Pコアとなっている。 

OpenAIがCerebrasのWSE-3にCodexモデルを載せて、1000TPS(トークン/秒)を達成したと昨日書いた。1000TPSは、人間同士のペアプログラミングレベルの応答速度らしい。少し飛躍した話になるが、コーディングをAIが進められるようになると、プロセッサのアーキテクチャ仕様を見て、それに合わせたコンパイラ開発やドライバ、OS、データベースやVMとの連携、既存アプリの移植といった、いわゆるソフトウェアスタックの開発期間が短縮できるようになるのだろうか。何が言いたいかというと、LSIを作るのには数ヶ月かかるが、ペーパーマシンとしてのアーキテクチャ仕様とRTLネットリストがあれば、LSIを動かすのに必要なソフトウェアスタックは、チップができるまでにプロトタイプくらいはできるのではないかということだ。チップが出来てきたらデバッグをする。まあ、もちろんこんなに簡単な話ではないが、現在はCPUにしろGPUにしろ、マイクロプロセッサのアーキテクチャは種類が少ない。AIコーディングが一般化すると、プロセッサ側へ何らかの影響があるのではないか、ということが言いたかった。インテルは過去何度かx86を捨てようとしたが、結局ソフトウェア資産に引きずり戻されてx86を捨てられなかった。日本のスーパーコンピュータも、京のSPARC64から富岳のArmに乗り換えたのは、ソフト開発のすそ野を広げるためだったと聞いている。AIコーディングによって、アーキテクチャがソフトの呪縛から解放されるときが来るのかもしれない、とふと思った。

ミュンヘンで開催されたミュンヘン安全保障会議で、10ヶ国15社によるTrusted Tech Alliance(TTA)が発足したとの記事があった。発足は15社(Anthropic、AWS、Cohere、Ericsson、Google Cloud、Microsoft、Nokia、NTT、Rapidus、SAP、他6社)で、AI・クラウド・通信・半導体・データベースと現在のデジタル社会を構成する業種が入っている。順次拡大を目指すとのこと。デジタル社会では、情報が瞬時に世界中に広がるので、良い面もたくさんあるが、悪人にとっても安全圏から攻撃が可能になる。悪意のない人にとっては、繋がるためには信頼が重要になる。

日本の話題を少し。上のTTAにも入っているが、NTTの子会社のNTT-Dataが、AWSと複数年契約を結んだりドバイのZero&One社を買収したりといった記事が出ている。Zero&One社はAWSの認定パートナーとのこと。別の話題で、来週インドで開催される、インドAIインパクトサミット2026で、富士通が講演や展示をするようだ。NVIDIAのジェンスン・フアンが欠席するという記事がたくさん出ていたイベント。富士通からは量子コンピュータ関連やFUJITSU-MONAKAの他、日本語LLMのTakaneのデモがあるらしい。ちなみにTakaneは、上のTTAに入っているCohere社との共同開発でもある。

明日からISSCC 2026が開催される。16日のプレナリーセッションでは、MediaTek、IBM、ケイデンス、アップルの4件の講演がある。 

 

今日は、昼までぐっすり寝た。最近の週末はすっかりこのパターンになった気がする。窓からは日がよく差し込んでいて、部屋の中が思ったより暖かい。

 

部屋の掃除をしたあと、ひと息ついてからコーヒー豆を買い出た。すこし曇ってきたが、マフラーなしでも寒くない。通り沿いの家の庭木に、花がチラホラ咲いていた。街はバレンタイン商戦の最終日だ。

 

晩ごはんは豚肉炒めに、ピーマンと玉ねぎのオムレツという組み合わせ。テレビで、伊豆の河津桜が見ごろというニュースが流れていた。沖縄の名護の桜まつりは、もうとっくに終わっていたか。

 

2026年2月13日 13日の金曜だ

そういえば、OpenAICerebrasのWSEを導入したという記事を、先月の中頃に読んだ気がするが、OpenAIのCodex(GPT-5.3-Codex-Spark)をCerebras上に構築したという記事が出ている。NVIDIA以外のハードで動作するモデルとしては初めてとのこと。コードの生成速度は、1000トークン/秒(TPS)らしい。参考の比較として、AnthropicClaude Opus4.6で68.2TPSと書いてあった。他のモデルをCerebrasに載せた例では、MetaのLlama 3.1 70Bモデルで2100TPS、OpenAIのgpt-oss-120Bモデルで3000TPSという数字が載っていた。たしかに数字だけ見ると、OpenAIのCodexは、モデルの中では重たいのかもしれない。その一方で、それを動かすCerebrasがすごいといことかもしれないが。ウェハスケールエンジン(WSE)というだけあって、やはりAIチップは大きさが性能だということを再認識せざるをえないと思った。

生成AIがソフトウェア業界に与える影響について、AWSのマット・ガーマンCEOの発言が注目されているようだ。コード生成が強力すぎて、ソフトを開発する会社が不要になるとか、SaaSが終わるなどの懸念が出ており、実際にSalesForceなどのSaaS関連株が低調らしい。Xの投稿を見ていても、ソフトハウス業界は追い詰められるといった投稿を目にする。AWSのCEOの発言は、これらの懸念に対して恐怖感が誇張されているという内容のようだ。先日のシスコAIサミットでもNVIDIAのジェンスン・フアンが、ソフトウェア業界の見通しは明るいと発言していたと思う。業界としては、少しヒステリックな状況にあるのかもしれない。たしかに、生成AIによって、SaaSから自社(オンプレ)でのソフト開発への移動や、パーソナルなコーディングが盛んになる部分はあると思うが、クラウドが衰退することは考えにくい。むしろクラウドというプラットフォームは、人類の人口増加とともにまだ広がるので、ソフトウェア開発の需要の増加はこれからが本番だと思う。1980年代にパソコンが出てきたときに「ソフトウェアクライシス」と言われていたと思うが、いままでずっとソフト屋さんは足らなかったし、プログラム言語が難しくてコード書く人は増えにくかったと思う。ソフト開発のノウハウが価値を持つのは、むしろこれからが本番だと思った方がよい。 

AWSでもう一つ。ワシントン州にAWSが主導でデータセンターを建設するという記事が出ていた。港の近くで原発とも電力契約をしているそうだ。確認してないが、海底ケーブルが上陸する地点かもしれない。  

LSIの話題も少し。先月の月末辺りにアップルのM5無印はインテルで製造するのではないか、という記事を読んだ気がするが、M5pro/maxはTSMCのSoICパッケージング技術でCPUとGPUを分離してチップレット化するのではないとの記事が出ているようだ。最近は大型GPUも、IOを切り離してチップレット化する動きもあるし、XPUというと、ほとんどがチップレット化しているのではないだろうか。記事の中では、QualcommのSnapdragon X2 Eliteについて、まだチップレット化していない例として挙げていた。 

ちょっと変わった話題だが、日本のPayPayが、NYSE(ニューヨーク証券取引所)のナスダックに上場するらしい。IPOの準備中だとか。昨年から準備を進めていたらしいが、例の予算不足で政府機関が閉鎖したりして、今になっているらしい。銘柄のシンボルはPAYPになるとのこと。

 

今朝はそこまで冷え込まず、昨日よりはすっと起きれた気がする。週末で気持ちが軽くなったこともあるかもしれない。今日は13日の金曜日。13が縁起悪いのはわかるが、金曜は縁起悪いんだろうか。

 

午前中は小さめの仕事を片付けていく。頭を使う作業は午後に回すことにした。手離れがいいものからさばいて後に渡す。午後にじっくり考えた仕事は、残業時間に相手先に投げて週末に入る。鬼だ。

 

それほど残業しなくて済んだので、帰宅して買い物へ。コーヒー豆がギリギリなのに買わなかったのは、ちょっと失敗だったかもしれない。明日また買いに行こう。晩ごはんのあと、0時からウェビナーと思っていたら、1時間遅れていて1時からだった。

 

2026年2月12日 まだ寒い朝

そういえば、インテルのNova Lakeに搭載されているNPU6の性能は、74TOPSになるらしい。NPUの世代で見ると、Panther LakeのNPU5は50TOPSなので約1.5倍の性能となる。その前のNPU4はLunar Lakeに搭載されており48TOPSとのこと。もう一つ前のNPU3はArrow Lakeに搭載されていて13TOPSらしい。1月のCESでPanther Lakeが出たが、どうもデスクトップ版は無いようだ。Luna Lakeもノート用なので、26年上期のデスクトップにはArrow Lake リフレッシュが準備されているようだが、NPUは13TOPSのままという記事が出ていた。年末にはNova Lakeが出るので、NPUの性能としては5.7倍の開きがある。Windows+Copilotで40TOPSの性能が必要と言われているが、AI PCを考えている人はArrow Lake リフレッシュは少し考えた方が良いのかもしれない。(NPU4と5は性能がほぼ同じだが、面積効率が違うとのこと)

インテル関連でもうひとつ。イスラエルのタワーセミコンダクタがインテルのニューメキシコにあるFab11Xを使ってシリコンフォトニクス用デバイスの製造を行う計画だったが、これが破棄になったらしい。それがどうしたかというと、タワーセミコンダクタは、その製造計画を日本で行うそうだ。富山に工場(TPSCoのFab7)があるらしい。シリコンフォトニクスはAIデータセンター向けで、今後の需要増が見込まれている。

サムスンがHBM4の量産出荷を開始したらしい。NVIDIAに納入するのは初めてとのこと。SKハイニクスはサンプル出荷は速かったが、量産出荷はまだのようだ。

サムスンでもう一つ。スマートフォン向け次期CPU Exynos 2600(サムスン 2nm)が、ArmのSME2に対応するらしい。対抗のQualcommのSnapdragon 8 Elite Gen 5 はSMEだったような気がする。

NVIDIAのGPU RTX 6000 PROには96GBのGDDR7が載っているが、中国には84GB搭載のRTX 6000Dというのがあるらしい。GDDR7は一つ3GBで、使用個数がそれぞれ32個と28個ということになる。また、6000Dの方がバス幅が狭くシェーダも少ないようだ。チップはどちらもBlackwellベースとなる。旧世代のH200を中国が輸入したかどうかというところに、現役のBlackwellがもう入っているのは、メモリにHBMを使わず、GDDRにしたからではないかと思われる。つまり、NVIDIAが、最初から中国輸出が可能な仕様にしておいたということだろう。 

次はAMDの話題。リサーチ会社によると、25年4Qのサーバー分野全体の売り上げに占める、AMDの売上が41.3%で4割を越えたらしい。3Qが39.5%だったので時間の問題だったかもしれない。サーバーのCPUユニットのシェアとしては28.8%で約3割となっている。デスクトップ分野では、売り上げのシェアは42.6%でこちらも4割越え。CPUシェアが36.4%となっている。サーバーもデスクトップも、業界全体の売上の4割はAMDということになる。

日本の話題で、ラピダスが2027年にウェハ月産6000枚を予定しているとの記事が出ている。2028年には月産25,000枚、最終的には月産60,000枚との記事もある。2026年は2nm世代が世の中に出る年なので、いよいよ本番というところか。40nm以降はファブがどんどん減ってきたが、2nmになってTSMC、インテル、サムスンにラピダスが加わった。そのタイミングでAI半導体の需要が急増しており、いい風が吹いていると思う。

昨日、書いた富士通のサーバー国内製造について、プレスリリースが出たようだ。国内の報道も増えている。昨日見た記事はNIKKEI ASIAで海外版だったので、ちょっと早かったようだ。AIサーバーの正体は、FUJITSU-MONAKAのサーバー製造と、NVIDIA B300 とRTX 6000 PROを用いたGPUサーバーらしい。FUJITSU-MONAKAは、富岳のA64FX(TSMC 7nm)と同じくArmアーキテクチャを採用している。

 

朝起きた瞬間に空気がまだ冷たかった。春の気配が近づいているはずだが。

 

休み明けの職場は容赦なく忙しい。というか、休み前に整理しておいたおかげなのでスタートダッシュして当たり前ではある。淡々とこなしていく。

 

気がつけば残業がそこそこ遅くなっていて、帰宅してから慌てて豚肉とピーマンを炒めて晩ごはん。明日は買い物に行かないと。

 

2026年2月11日 祝日

ところで、GoogleのTPUv8eのASIC開発はMediaTek受注したようだ。TPUv7pまではBroadcomだったと思うが、v7pのIOだけMediaTekが担当していたらしい。今回は全部MediaTekが受注したということだろうか。どうやら、SerDesの性能が決め手だったという記事が出ている。 AIチップは通信速度がキモのようだ。

Googleつながりで次の話題。インテルとGoogleが共同で、Intel TDX(Trust Domain eXtention)の検証を行い、脆弱性とバグを検出し、対策を施したとの記事が出ている。TDXはSGXより後に出た機構だと思うが、どちらもセキュリティに関する機能で、SGXの方がアプリレベル、TDXはVMレベルでのセキュリティに対応するようだ。デバイス自体の信頼性(Root of Trust)は重要性を増していると思う。AMDはSEV、ARMはCCAという機構を持っている。GoogleやMS(Azure)などのCSP(クラウドサービスプロバイダ)は、デバイス起点の信頼性の鎖(Chain of Trust)を提供する。

インテルつながりで次の話題。NVIDIAの次期GPU Feynmanで、IOチップにインテルファウンドリを使うだろうという話が1月の終わりごろに出ていたが、IOチップとパッケージングも使うだろうとの記事が出ている。 TSMCも使うというか、TSMCが75%、インテルが25%くらいの構成比率らしい。

NVIDIAつながりで次の話題。先週、NVIDIAの台湾本社が台北に決まりそうだと書いたが、正式に契約がわかされたようだ。契約期間は50年間で、最大20年延長可能らしい。2026年からだと最長2096年までということになる。

話は変わるが、台湾のトランプ関税について。半導体関連ではTSMCが指名する米国業者は輸入関税が免除されるとの記事が出ている。つまり、Google、AWS、MSと言ったハイパースケーラーはTSMCからチップを大量に購入することになるが、TSMCが免税業者に指定すると、米国が台湾から輸入するときの関税が免除されるらしい。これは台湾の半導体企業で、米国にすでに工場設立などの投資を行っている場合はその投資額の1.5倍、これから新たに建設するなどの投資を行う場合はその投資額の2.5倍のチップを無税で輸入できるという法案に基づく措置だそうで、誰を免税にするかは半導体事業者が選べるようだ。TSMCは巨額の米国投資を行っており、半導体工場を今後6つくらい作ることになっているが、これが功を奏したということだろう。

最後に日本の話題。富士通がAIサーバーの製造を国内で開始するという記事が出ていた。 製造する工場は石川県とのことで、富士通ITプロダクツと思われる。どちらからもプレスリリースは出ていないようだ。富士通のサーバー製品や、スーパーコンピュータの京や富岳は、ここで製造されていたと思う。情報漏洩を防ぐ目的とのことなので、自国内製造が大事ということか。しかしAIサーバーというのが良くわからないが、IAサーバー(x86サーバー)なのだろうか。それとも、現在データセンター向けCPUとして、FUJITSU-MONAKA(TSMC 2nm)を開発中だと思うが、これがAIサーバーなのだろうか。続報を待ちたいところ。 

ミニ情報:Windows 11の半年に1度のUpdateで、次と思われる26H1はArm CPUに対するサポートのみで、25H2のアップデートではないとのこと。

 

週の真ん中の休みはだいぶ助かる。建国記念の日ということで、目覚ましもかけずに寝ていた。

 

天気が悪くて気温も上がらず、昼間でも足元が冷える感じだった。こういう日は無理に外に出ないで、たまっているメールなど読んで過ごした。

 

晩ごはんは豚肉と玉ねぎをフライパンでざっと炒めて、玉ねぎ多めでシャキシャキ感を残したのが今日の正解。こういう定番メニューが一番落ち着く。

 

2026年2月10日 休日前の忙しさ

そういえば、MediaTekIntel14A採用か、との記事が出ている。先日、TSMCの2nmとA14にアクセス可能になったという記事も見かけたが、どちらの記事もあるようだ。A14と14Aで似ているのと、オングストロームのつもりで14Aと書くと、混乱する可能性はある。

そのインテルの14Aに関連するが、18A以降はインテルではBSPD(裏面電源供給)が標準になるらしい。TSMCはオプションで提供だったと思う。A16からかと思ったら、早ければN2Pからのようだ。いまのところ、BSPDにはいくつかの課題があるとされている。ひとつはセルフヒーティング問題で、BSPDにするとシリコン層を薄くするため、信号側(表)と電源側(裏)からの熱の拡散だけでは熱抵抗が大きくなって熱が抜けず、回路が動作すると熱がシリコン層にこもってジャンクション温度上がっていくとみられているようだ。裏面の電源配線は、電気的な設計と熱的な設計を同時に行う必要があるだろう。解決するためのシミュレーションツールは、すでにあると思われる。あとは計算するだけだ。

もう一つ別の課題は、LSI設計手法で、信号と電源を分けた状況で、回路が正常に動作するよう設計と検証を行う開発環境が必要になる。単純に電源配線がないからと言って信号配線を簡単に近づけるわけにはいかず、クロストークなどを考えると、配線間の隙間はそれなりに必要になると思う。タイミング計算ツールとか、使う側の設計者の勘所とか、前の世代の設計からの流用など考えると、テクノロジーマイグレーションのハードルは結構高い。こちらの方が問題が大きいと思う。TSMCは、シノプシスやケイデンス、シーメンスなどのEDAベンダーと連携している。インテルはどうなのだろうか。インテルがEDAツールをどう使っているかは、あんまり聞いたことがない気がする。ちなみに、日本のラピダスは、わりと早い段階でBSPDに対応すると明言しているようだ。

インテルでもう一つ。次期デスクトップ向けCPUのNova Lake-Sは、最大の消費電力が700Wに達する可能性があるとの記事が出ていた。もっとも52コアあるので、それらがフルに稼働すると、という条件付きのようだが。700Wというと、少し前のミニタワーPC全体の電源がそれくらいだったような気がする。

少し珍しいところで、ネットワークアプライアンスのCiscoが、ネットワークチップSilicon One G300を出したらしい。TSMCの3nmプロセスで製造とのこと。BroadcomのTomahawkの対抗になる。AIコンピューティングではネットワーク経路がボトルネックになる場合が多いそうで、経路の再ルーティングで全体性能を上げる余地があるようだ。Silicon One G300では一部のAIワークロードで28%改善できたとのこと。

先日発表されたARMホールディングスの決算では、AI需要でチップがたくさん売れたので、ロイヤリティの収入が大きかったとのこと。一方ライセンス収入は期待ほどではなかったらしい。ライセンス収入は、チップ開発時にARMアーキテクチャを使うメーカーがARMに支払うお金で、ロイヤリティ収入は、チップ販売後にメーカーがARMに支払う使用料となる。2026年はメモリ不足でチップが売れないとの予測がある中、ロイヤリティ収入も期待が下がるが、代わりにライセンス収入があるのはいいと思う。 

クラウド関連では、Googleが第4四半期に48%成長という驚異的な数字が出ていた。ベースの収益規模はMS、AWS、Googleの順でGoogleは分母が小さい可能性はあるが、48%というと約1.5倍なわけで、Gemini3が好調だったと思われる。また、第4四半期の収益額では、AWSがMSを抜いたらしい。クラウドは相変わらず好調だと思われる。

 

朝は晴れていたものの、空気はまだ冷たい。週の後半は暖かくなるらしいという予報だけが心の支え。冬の朝はスロースタート。

 

明日は休みなので、今日はとにかく仕事を捌くモードに入った。いくつかの案件を並行して進めている中で、ようやく一つ出口が見えてきた。

 

休み明けに慌てなくていいように、残業して整理してから帰宅。晩ごはんはナスと牛肉の炒め物。

 

2026年2月9日 残雪の月曜

そういえば、TSMCが、熊本で取締役会議を行ったらしい。もちろん3nmラインを建設することと関連があるのだと思う。先日CC.ウェイ会長が日本の首相に申し入れをしたので、その後に取締役会で決裁したということだろうか。それなら熊本に取締役が集まることは意味があると思う。ちなみに去年はアリゾナでも取締役会議をしたそうだ。

Intel関連で話題が2点上がっている。ひとつは次世代となるIntel Core Ultraシリーズ4 (Nova Lake)に向けたチップセットの情報が出てきたらしい。Z/B/Q/Wで始まる9xxシリーズで、ハイエンドはZ990となる。おそらく今年のクリスマス商戦のころに、市場に出てくるものと思われる。

もうひとつは、インテルのIntel On Demandというサービスが非公式に終わったらしい。(公式に終了宣言は出てないとのこと) インテルCPUのスペック表を見ると、いろいろな機能が付いていてすごいと思うのだが、CPUを購入したらそのまま使えるわけではなく、料金を払って機能を購入する方式となっている。開始当初はSDSi(ソフトウェア・デファインド・シリコン)と言っていた。言われて思い出したが、そうだった気がする。SDSiの中には、デバイス起点の情報保護機能を提供する仕組みであるSGX(Software Guard eXtension)も含まれている。In Device We Trustは今後ますます重要だと思うのだが、次世代CPUでは標準でイネーブルされるのだろうか。

データセンター関連の話題で、村田製作所がデータセンターにAMDのEPYC第5世代を用いて、シミュレーションのスループットを3倍に向上させ、なおかつワークロードの電力も1/3にできたという記事が出ている。おそらくZen5(Turin,4nmノード)を用いたと思われる。Zen5c(3nmノード)はメモリ容量が小さいので、シミュレーションには不向きかと思う。比較の元になっている旧システムがわからないが、旧システムのCPUに比べて、電圧が下がってコア数とキャッシュ容量が増えると、電力は下がってスループットは上がる。微細化の恩恵という感じがする。

AWSが、フランスのSTマイクロ社と提携したという記事が多数出ている。STマイクロはAWSに対して、データセンターを構成するマイコンや通信チップの部品供給を行う。AWSと共同でチップ開発もしているらしい。

データセンターでもう一つ。MC Digital Realtyというデータセンター事業者の、印西(千葉県)にあるデータセンターNRT14が、日本で初のNVIDIAのDGX液冷対応の認証をとった、という記事が出ていた。GB200 NVL72ラックを導入できるということらしい。ちなみに、このNRTというのは、成田空港の空港コード(IATA)にちなんで付けているそうだ。

 

朝起きたらまだ雪が残っていて、空気が冷たかった。昨日の名残りの白いかけらがあちこちに残っていたが、日中に日が差してくると溶けて消えた。

 

今週も忙しそうだなと思いながら会社に接続したら、案の定、忙しかった。まあ月曜なんてだいたいこんなものだと割り切りつつ、なんとかさばいて終わった。

 

残業して帰宅したあと、コーヒーが切れていたのを思い出して近所のスーパーへ向かった。意外とお客さんが少なくて、静かな店内が少し広く感じる。寒い夜は外に出る人が減るんだろうなと思いながら、さっと買い物を済ませて帰った。

 

2026年2月8日 積雪と選挙


そういえば、NVIDIAOpenAIへの1000億ドルの投資がうまくいっていない件について、内情を明かしている記事が出ていた。OpenAI側で開発しているコード生成アシスタント(Codex)がいまひとつで、NVIDIA GPUで賄いきれない推論性能が必要になっているというのが背景にあるようだ。それでCerebrasなどをレンタルしているのではないかとのこと。Groqもその候補に挙がっていて、NVIDIAがGroqと技術提携したのもその背景が絡んでいるのではないかということらしい。いろいろな推論エンジンに手を出す(AMDにもだと思うが)ので、NVIDIAとしては面白くないのではないか、というのが、うまくいってないことの正体じゃないかということだった。まあ、いろいろあるね。 

NVIDIA関連で、社内のエンジニアに、Anysphere Inc.のCursorというコード生成AIをカスタマイズして使わせているらしい。生成するコードの量が3倍に増えたが、当初の導入したままではバグ率が変わらなかったのでカスタマイズしたとのこと。

もうひとつNVIDIA。Vera Rubin向けHBM4について、サムスンが 今月後半に量産を開始するらしい。

以下、宿題の提出。

2,3日前に、「TSMC熊本工場(FAB23)に3nmラインが建設されるが、3nmと言っても最小回路線幅ではなく、7nm以降は単なる商標となっている」と書いた。この「最小回路線幅」というのが、かつての半導体の微細化の象徴であったが、現在は数字と実態が合っていないということを説明したい。そもそも、この最小回路線幅の意味を、説明する必要があると思う。半導体プロセスでは、フォトマスクと露光機を用いて、いわゆる縮小コピーの要領で、回路を小さく焼付けてLSIを製造する。普段、私たちが縮小コピーするときに、縮小が行き過ぎると字がつぶれて読めなくなるのと同じように、半導体でも縮小の行き過ぎは回路の形成に失敗することになる。この、回路が故障しないぎりぎりの線幅まで縮小できるように技術的な工夫を行い、実現された最小の配線幅が、最小回路線幅と呼ばれている。

さて、この最小回路線幅を縮小するための工夫であるが、拡大や縮小と言うとレンズの話かと思うかもしれないが、半導体の世界では露光装置の光源の波長を短くする歴史となっている。プロセスノード(≒最小回路線幅)が1990年代の0.25umや2000年代の90nmといった世代では、光源には248nm(KrFレーザー)や193nm(ArFレーザー)と言った波長が使われていた。65nm世代以降は波長193nmのレーザー光を水に通す(ArF液浸)ことで134nm相当の波長に変換している。波長以上に細い形状(パターン)をどうやって実現しているのか、という疑問は当然あるが、回路の配線形状を焼き付けるときに光学補正をかける技術があり、一見何の模様かわからないマスクでも、単一波長のレーザー光を当てると所望の配線幅の形状ができるようになっている。また、配線密度を上げるために、同じ層に対して複数のマスクを用いる多重マスク化というテクニックもあり、フォトマスクを設計するCADもかなり複雑になった。 

上記のような歴史があって、65nm世代以降の16nm, 14nm, 10nm世代までは、波長134nmの光源を使って、プロセスノード(≒最小回路線幅) が進んできた。Intelが14nmプロセスでSkyLake(2015年)を製造したり、TSMCが10nmプロセスでiPhone X(2017年)を製造していた時期の話になる。このあと、Intelは10nmプロセスで苦戦して、IceLakeを製造したのが2019年になっている。ここら辺が、ArF液浸露光の限界だったと言ってよいと思う。TSMCは7nm世代に移行しつつ、EUVの導入を始める。EUVは波長が13.5nmで、一気に10分の1になる。(全体に「世代」や「プロセス」や「ノード」と言った言葉が頻出するが、ほぼ同じ意味で使われていることに留意されたい)

少し想像が入るが、EUVはスループットが遅いので、多重マスク化などのテクニックが使いづらかったのではないかと思う。そうすると、波長以上に細いパターンを作ったり、配線密度を上げるのはちょっと難しいと思われる。ここを機に、最小回路線幅(≒プロセスノード)の微細化は、意味がすこし変わる。

10nmや7nm世代の時点では、インテルもTSMCも、トライゲート構造と呼ばれるFinFETに移行していた。FinFET以前のプレーナ型は、トランジスタの大きさ(幅)はゲートを縦長に伸ばして面積を増やす必要があったが、FinFETではFinの高さ方向で幅を稼ぐことが出来るので、いわゆる占有面積としては小さくすることが出来る。例えるなら、同じ世帯数が暮らすのに、平屋からマンションにすれば土地は狭くてすむのと同じである。また、Finどうしの間隔を詰めることが出来れば、それも面積の削減に有効である。狭い間隔でマンション群が建っているようなものだ。そしてこれは、TSMCの2nm(ナノシート)以降やインテルの18A(リボンFET)以降のGAA(ゲートオールアラウンド型)-FETでも同じである。

半導体のプロセスノード が進むということには、いくつかの意味や期待がある。その最大のものは、LSIが小さくなるということだ。同じ回路であれば、面積が小さくなることでウェハから取れるチップ数が増えて、コストが下がることが期待される。また、同じ面積のLSIであれば、より多くの回路が入って、同じコストで高性能になることが期待される。したがって、最小回路線幅が小さくならずとも、より多くの回路を入れることが出来れば、プロセスノードを進めてもよいことになる。こうして、FinFETでEUVを使う世代から、最小回路線幅は変わらずとも、プロセスノードだけが商標として進んでいくようになった。 

では、プロセスノードごとの最小回路線幅は、何を見たらわかるかというと、半導体メーカーが指標としているロードマップがあり、一応はそこに準拠するようになっている。「一応は」というのは、準拠しないといけないという拘束力はないということだ。このロードマップは、10年ほど前まではITRSと呼ばれていた。現在ではIRDSと呼ばれている。IRDSには半導体産業全体のロードマップがあり、その中のリソグラフィに、トランジスタの形状や最小回路線幅のロードマップが示されている。

リソグラフィのロードマップには、最小回路線幅の定義に2つの種類がある。ひとつには、単純な配線の最小ピッチ(配線-隙間-配線の中心間の距離)が規定されており、配線は金属(メタル)なので、Mxxであらわされる。もうひとつはコンタクトテッドゲートピッチと呼ばれるトランジスタの配置密度で、トランジスタのゲートと、その横のソース/ドレインのコンタクト(端子)を挟んで、隣のゲートとのピッチが規定されている。細かく書くと、ゲート-隙間-コンタクト-隙間-ゲートで、このゲートの中心間の距離となる。 ゲートのピッチなので、Gxxと書く。2,3日前に書いたGxxMxxの正体は、このロードマップの数値であった。

ちなみに、2024年版のリソグラフィのロードマップでは、 2024年に3nmノードでG48M24、2025年に2nmノードでG48M22、2027年に1.4nmノードでG48M22となっている。ロードマップなので予測であることには注意が必要だが、上記で説明した数字の読み方に従うと、G48というのは、ゲート+隙間+コンタクト+隙間の値なので、単純に4で割るとゲートも隙間もコンタクトも12nmとなる。また、M22も配線と隙間の合計なので、単純に2で割ると配線も隙間も11nmとなる。EUVの波長が13.5nmであることを考えると、ゲートも配線も最小線幅12nm前後と考えてよさそうだ。

ロードマップが示す推移では、3nmノードから2nmノードではゲートピッチ(G)は変わらず、配線ピッチ(M)が-2nmになり、2nmノードから1.4nmノードではGもMも全く同じと言っている。TSMCやインテルがこれに準拠しているという確証はないが、目安としてはこの辺りの寸法と考えてよいと思う。プロセスノードが進むことで、より多くの回路が入るようになってはいるが、昔のムーアの法則のように一世代で倍の回路が入るようなペースではない。ムーアの法則がスローダウンした、と言われているのは以上のような状況を表している。

結論としては、繰り返しになるが、プロセスノードが進むということは、最小回路線幅とは別の工夫で回路の密度は上がっており、産業上の問題はないものの、プロセスノードが示す○○nm世代という数字は、最小回路配線幅とは乖離しているということである。以下は余談だが、シリコン結晶の格子定数は5.431オングストロームである。プロセスノード14Aとは、14オングストロームのことであり、この先のロードマップでは10Aを切って7A、5Aと進む。AI半導体需要はノードを先に進めることを要求し、トランジスタ構造がCFETになることで縮小率は上がる見通しである。5Aノードに進んだとき「何かおかしくないか?」と言われたら、上記の説明を思い出してもらえると幸いである。

長くなったが、説明したかったことは以上である。TSMCの熊本工場に、3nm世代の製造ラインが建設されるのは、素晴らしいことだと思う。

 

今日は朝、目が覚めたとき、窓の外が白くなっていて思わず二度見した。昼前に起き直してもまだり積もっていた。予報では昼過ぎから晴れだったが、太陽らしき光がぼんやり透けているだけで空は曇ったままだった。

 

雪が積もっている中、しょうがないので投票へ向かった。家族連れやお年寄りで、思ったより混んでいた。積雪といっても、日本海側の本気の雪に比べたら申し訳ないほどの量だが、雪があるだけで空気が冷たい。慣れない寒さで顔が少し痛かった。

 

寒さに負けて布団に戻っていたら、晩ごはんができていた。鶏肉と玉ねぎのカレー炒めで、カレー粉がかなり多めに入っていた。そのスパイシーさが体を温めてくれる。

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