◆そういえば、インテルが、NVIDIA GTC2026で何か発表するらしいとの記事が出ている。NVIDIAのGPUをコントロールするCPUとして登場する可能性があるようだ。インテル自身、NVIDIAから50億ドルの出資を受けており、技術的にもNVLink Fusionを採用すると発表していたので、接続可能になるのは不思議ではないと思う。インテルの決算ではカスタムXeonは好業績とされており、NVLink対応は一般品ではなくカスタムXeonで対応するのではないかとみられていたと。NVIDIAは、これまではArmアーキテクチャでGrace、Veraを開発しているが、Armはキープしつつも、x86も選択肢の一つと認めているということかと思われる。NVLink Fusionには、Arm CPUとしてはAWSのGravitonや富士通のMONAKAシリーズ、RISC-V CPUとしてはSiFiveが名乗りを上げていたと思う。
GTCの前触れのおかげで、他のニュースは少ないようだ。
AMD関連をまとめて。AMDとCelesticaが、Heliosラックの生産で協業するようだ。また、先日、リサ・スーCEOが韓国を訪問しており、サムスンからMI450X向けのHBM4の供給を受けるのではないかとの記事も出ている。
つぎに半導体関連。TSMCが1.2nmプロセス向けの工場用地について、環境アセスメントを進めているとの記事が出ている。生態系への影響調査を実施してる模様。1.2nm世代は、1.4nm世代と同様のナノシート型トランジスタと思われる。半導体プロセスとその周辺技術には、多くの化学薬品や重金属、ときにはランタノイド系の放射性物質が含まれることがある。人間だけでなく環境への安全性を評価すること(ESH)が、半導体プロセス開発のロードマップには含まれている。
EUVに関する興味深い記事が出ていた。半導体リソグラフィに使用されるEUV露光機は、オランダのASMLが独占的に供給しているが、年間の生産台数は約70台らしい。以前に比べれば生産ペースは増強されているし、この先も徐々に増加すると思われる。しかし、2030年に年間100台ペースになるのは困難だろうとのこと。現在の最先端半導体プロセスにおいて、スループットのボトルネックが露光機にあることは間違いないと思う。生産量を増やすために、EUVの台数を増やしたいファブや半導体メーカーはたくさんあると思うが、思うようにはならないようだ。記事では、たとえばNVIDIAのRubin GPUを1GWのAIデータセンターにインストールするには、約200万回のEUV露光が必要になり、EUV装置としては3.5台が必要になるとの分析が出ている。
記事の中では前提がよくわからなかったが、少し考えてみると、現在の主流のEUVは開口率NA(Numerical Aperture)が0.3くらいで、ウェハに回路パターンを焼き付けるには、4回くらいの露光が必要と言われており、そこでウェハが停滞すると思われる。EUV前後のプロセスとスループットをそろえるためには、EUV装置を4台を並列に稼働ればよいということになり、上の3.5台が必要という結果とほぼ合うと思う。ただしマスクセットが4つ必要にということになる。需要が大きいチップなら4つ用意するが、少量生産ではそうはいかないと思われる。EUV装置メーカーでは高NA=0.5の装置を開発や、光源を1000W級に改善するなど、露光の回数を減らせるように取り組んでいる。世界のあちこちでGWクラスのAIデータセンターが出来ようとしているが、半導体製造のペースが上がるよう、EUV装置が滞りなく供給されることを期待するしかない。
最後にクラウド関連。AWSのストレージサービス(Simple Storage Service)が、サービス開始20周年を迎えたようだ。1PBで始まったサービスは、いまや数百エクサバイトに拡張し、ハードディスク(HDD)数千万台を抱えているらしい。このHDDを積み重ねると、地球上空400kmに浮かぶ国際宇宙ステーションに行って帰ってこれるそうだ。往復800kmを厚さ1インチ(25.4mm)で割ると、3,150万台という数になると思う。ちょっと想像がつかない。もっとも、データセンターを宇宙に打ち上げなくても、HDDを積み重ねたら軌道に届いてしまう、ということが言いたいのかもしれないが。