◆そういえば、テスラがAI5チップをテープアウトしたようだ。製造はTSMCとサムスンの両社で行われるとのこと。サムスンは韓国内の2nmプロセスで製造するようだ。TSMCも2nmかと思われたが、こちらは3nm(N3P)での製造らしい。テープアウトというのは、設計完了後に、設計データを格納した磁気テープを製造会社へ引き渡す作業からきた言葉だったと思う。もちろん、今ではネットで転送すればよいので、テープという言葉だけが残っていて、本物の磁気テープで渡すようなことは無いと思う。(磁気テープ自体はバックアップ装置などで残っていると思うが) 記事の見出しに「テープアウト」と書いてあるのを見ると、ちょっと懐かしい気がした。
少し気になったのはテープアウトしたデータのフォーマットである。サムスンとTSMCの2つの半導体ベンダーで製造するとなると、回路は共通だがマスクは別々ということになるので、リリースしたのはいわゆるRTLネットリストになるのかと思われる。昔のテープアウトではマスクデータのイメージデータが入っていたが、マスクデータは半導体プロセスに強く依存する。サムスンの2nmとTSMCの3nmを使うとなると、二重に設計することになると思うが、中間にASICベンダーがいると、設計者はネットリストをASICベンダーにリリースして、ASICベンダーが、それぞれの半導体ベンダーに合わせたマスクイメージにして製造に渡すような段取りになると思う。おそらく中間のASICベンダーがいるのではないかと思うが、どうなのだろうか。
また、AI5のパッケージの完成予定写真も公開されており、チップの両脇にオンパッケージでLPDDR5Xが12チップ載っているようだ。ひとつ16GBとすると、192GBがパッケージ内にあることになる。AI5は前世代のAI4に対して、ワークロードによるが最大40倍の性能に達するという。またAI5単体ではNVIDIA Hopperと同程度の性能らしい。2チップ構成にするとBlackewllクラスになるとのこと。このあと、9か月後にAI6の設計が完了すると見られている。ハイペースなので開発チームが何チームかあるのだろうと思うが、どうなのだろうか。疑問ばかり沸いてくる。
話題は変わって欧州関連でふたつ。Microsoftが、ノルウェーでNVIDIAのVera Rubinを3万チップほどレンタルで獲得したようだ。もとはStargateプロジェクトでOpenAIが手配していたNscale社のデータセンターだったらしい。OpenAIがノルウェーと英国から撤退したため、Nscaleとの契約締結には至らなかったようだ。その代わりに、というわけではないと思うが、MicrosoftがNscaleと契約したと見られる。Microsoftは、2024年度に予算枠の都合で計算リソースの手配をいったん止めた時期があったようだ。そのときにMicrosoftが止めた物件(つまりデータセンター)は、あっという間に他社が契約したらしい。2025年度に、計画に追い付くのに契約を急いだが苦労したようだと記事は伝えており、データセンターの取り合いが始まっていると見られる。ちなみにMS社とNscale社は、テキサス・ポルトガル・英国でも契約しているようだ。
英国の自動運転スタートアップWayveが、AMD・Qualcomm・Armから6000万ドルの投資を獲得したようだ。1ヶ月ほど前に、QualcommとADAS(先進運転支援システム)で提携していたと思う。今回は追加の投資を受けたようだ。2月に12億ドルの資金調達に成功しており、期待と資金が集まっていると見られる。