◆そうえいば、インテルの株価が急騰して、2000年代のドットコムバブルの株価を越えたらしい。もう2年半前になるが、2024年の11月の初めに、インテルがダウ平均銘柄から外れ、その後は長い低迷期に入っていったと思う。12月にはパット・ゲルジンガーCEOが退任し、どうなることかと思っていたが、翌年5月ごろに就任したリップ・ブー・タンCEOがこの1年をかけて、ようやく回復してきたというところかもしれない。AI需要が推論重視に傾いたことで、CPU需要が伸びたことも大きいと思われる。半導体への投資と回収の期間は、投資家の思惑には合わないとパット・ゲルシンガーが言っていたと思うが、リップブータンCEOがブレずに頑張って耐えていたのは、ゲルシンガー氏の言葉を体現しているようにも思われる。
CPUつながりでAMDの話題。AMDが提供するEXPOが1.2になったという記事が出ている。EXPOとはEXtended Profiles for Overclockingの略で、AMD製CPUに対応するDIMMのタイミング調節などを行う機能のことらしい。今回はMRDIMMへの対応と、メモリ不足への対策として中国メーカーの数社のDIMMに対応したようだ。Zen6向けの準備と思われる。Zen5世代としては、Ryzen系のパソコンのマザーボードにCUDIMMを挿しても、バイパスモードでUDIMM動作になるようだ。EPYCのTurinは、IOチップのメモリコントローラ―がRDIMM対応で、MRDIMMは、まだ使えなかったと思う。これらはZen6世代で使えるようになるようだ。
個人的にAMDのCPUでパソコンを組んだことは無いのだが、何年か前に間違えてEXPO対応のメモリを買ったことがある。64GBを2組買った。つまり32GB x4枚。同規格のDIMMの中で、なぜか他より少し安かった。返品しようかと思ったが、EXPOってなんだろうと調べてみたら、メモリ設定プロファイルだというので、基本性能は出るのだろうと理解して、そのままインテルCPUのマザーボードに使うことにした。現在も奥さんのパソコンで無事に使えている。(メモリが潤沢で快適なようだ)
次に違う話題でNVIDIA関連。NVIDIAがOpenAIのChatGPT 5.5を搭載したCodexを1万人を超える全従業員に展開したようだ。10万基のNVIDIA GB200の上で動作しており、チャットボットは従業員と会話をし、エージェントは業務をしていると記事は伝えている。エージェントはセキュアな仮想環境内にいて、企業データにアクセスはできるが、削除や変更はできないようになっているとのこと。開発現場だけではなく、法務・財務・営業といったエンジニアリング以外の部門でも使っていると記事は伝えている。
NVIDIA関連でもうひとつ。NVIDIA製GPUインスタンスへのアクセスが困難になっているという記事が出ている。大手のCloud Service Provider(CSP)では、データセンター内のNVIDIA製GPUインスタンスを、自社内や大口顧客に優先的に提供している状況らしく、スタートアップなどの小口の顧客は予約待ちになっているようだ。大規模なトレーニングなどを実施する場合は、おそらく同一クラスタ内のベアメタルが確保されるため、小口の顧客は締め出されているのではないかと思われる。
データセンターつながりでMetaの話題。MetaがAWSのGraviton5を大量に購入したようだ。3年間から5年間にわたる数十億ドルの契約と見られている。コアの数では数千万コアに相当するとのことで、Graviton5が192コアなので数十万チップに相当すると見られる。ただし、チップとして購入したのか、AWS上でのインスタンスを買い占めたのかはよくわからなかった。3月中旬のGTCではNVIDIA Vera CPUラックの納入先として、また3月末ごろ発表のArm AGI CPUの発表では主要な納入先候補として、Metaの名前が挙がっていたと思う。おそらく、NVIDIA VeraもArm AGI CPUも製造はこれからであると考えると、目先のCPUはGraviton5というだろうか。
納入先としては、Metaが計画しているデータセンター(Project Prometheus)が、そろそろ稼働するタイミングではないかと思う。1GW級のデータセンターと言われている。Prometheusで稼働するMTIAにリクエストを送るのがAWS Grviton5ということになるのかもしれない。そしてその後のProject Hyperionは5GW級で、そこではVeraとArm AGI CPUと次期MTIAが稼働するのかもしれない。Metaに限らないが、AIデータセンター各社のプロジェクトの規模もさることながら、すごい資本力だと思わざるを得ない。
最後にLinuxの話題。Linuxのカーネルから、古いネットワークドライバが削除されているようだ。ISDNやPCMCIA(いわゆるPCカード規格)のネットワークドライバが対象になっているとのこと。AIがコーディングする中で、古いドライバに関連するエラーが増えてきたらしく、削除が進んでいるようだ。先日のAnthropic Claude Mythosのレポートでは、20年以上前のドライバ関連で、知られていなかった脆弱性が見つかったとの記事もあったかと思う。PCカードという名称は久しぶりに聞いた気がする。Type-Iのメモリカードやモデムカードを使っていた。
こういった、古い機器のドライバが誰にも気づかれなかった脆弱性を持っている、ということは容易に考えられる。こうなると、昔のものを含むこと自体が、リスクとなり始めているのかもしれない。いっそのこと、AIが自動的に穴をふさいだドライバを書いてくれると良いのだが。新しい危機に対応するドライバは、そうなっていくのかもしれない。