2026年4月2日

そういえば、IBMがArmと提携したようだ。IBM z17メインフレーム上で、Armのアプリケーションが動作するようになるとの記事が出ている。IBM側はデュアルアーキテクチャと名乗っており、カーネルベースの仮想マシン(KVM)がarm64コードにも対応したということらしい。先日のArm AGI CPUの発表で、IBMの名前が無いのが少し気になっていたが、別角度から取組んでいたと見られる。

取組みの背景としては、Armアーキテクチャが占めている2つの主要な分野があるようだ。ひとつはクラウドサービスプロバイダー(CSP)が導入するCPUに、Armコアが増えてきたということだ。2025年の主なCSP(AWS,Azure,Google)が調達したCPUのうち、Arm CPUが50%を越えていた思う。2つめはAIの学習や推論システムのCPUにArmアーキテクチャが多く使われているということがある。NVIDIA GPUと各社NPUはArm CPUとつながるものが多いと思う。また、IBMのz17メインフレームにもTelumIIやSpyerアクセラレータなどのAI環境がある。

この取組みの進展はこれからとは思うが、IBMメインフレーム上の仮想マシンでArmアプリが動作することで、基幹業務に関連したファイルシステムにアクセスするとともに、AIワークロードのz17への移植が進められていくと考えられる。クラウド環境と同じArmアプリが走ることは、ユーザーへの利便性につながり、メインフレームの堅牢性は基幹業務のデータ主権を確保することにつながると思われる。IBMからはメインフレームに延命につながり、Armからは基幹業務ドメインへの進出になるので、双方メリットがあると思われる。

AI関連でQualcommの話題。QualcommのAI200推論チップについて記事が出ていた。2019年にAI100という推論チップが発表されており、2020年にチップが出来上がったあとサンプル出荷されていた。その後、2025年春ごろにDellから拡張カードで発売されていたようだ。去年の10月に、後継となるAI200/250が発表され、AI200が今年、2026年に、AI250が2027年に出ると見られる。今度はラックでの登場となるようだ。AI100はTSMC 7nmプロセスでの製造だったが、AI200/250で今年中に量産機が出るのであれば、今度は3nmあたりかと思われる。

インテルのBOT(Binary Optimization Tool)がベンチマークに影響している。BOTを有効化すると、Geekbench 6.3では初回起動に40秒かかり、2回目以降では2秒ほどになるという。 Geekbench6.3ではBOT有効化でスコアが5%以上向上したが、6.7では起動遅延はあるものの、スコアの向上は1%未満にとどまったようだ。Geekbench社は、BOT対応のアプリは一部であることから、CPU性能を正しく反映できていないと判断したとのこと。

ベンチマークつながりでNVIDIAの話題。NVIDIAがMLPerfの推論で記録を更新したとの記事が出ている。今回はMLPerf Inference v6.0となっており、大規模での新しい推論ベンチマークが5つが追加された。MLPerfベンチマークとしても、これまでの学習から推論に重心が移っているとのことで、トークンコストが重要になってきていることを示すと記事は伝えている。

NVIDIAの中国国内のシェアが、60%未満に落ちているようだ。2025年4月以前では、中国国内におけるNVIDIAのシェアは95%だった。4月にトランプ大統領から禁輸措置が出て7月に撤回されたものの、米商務長官から追加の条件が出ると、中国側が発注を止めた。その後、12月にもう一度トランプ大統領から解禁の支持が出たが、中国側では指定された機関などに限られた輸出となっている。この間、AIチップはHuaweiがAtras350などを開発し、中国内製化がすすん。結果的に現状ではNVIDIAが55%、Huaweiが20%、Aribabaが6.4%、AMDが4%、Baiduが3%、Cabriconが3%などとなっているようだ。

NVIDIAつながりでもう一つ。カナダのケプラー・コミュケーションズ社が、10基の衛星に4つのNVIDIAのJetson Orinモジュールを搭載して打ち上げるという記事が出ている。NVIDIAはGTCの基調講演でも宇宙に拡張していく構想を打ち出しており、Starcloud社はすでにH100を搭載した試験衛星飛ばしているとのこと。NVIDIAも宇宙線対策などハードウェア開発を進めているようだ。

最後に地政学的な話題。バーレーンのAWSまた攻撃を受けたようだ。3月の初めにUAEの2ヶ所とバーレーンの1ヶ所に被害があったと思うが、それとは別とみられている。AWSからは他のリージョンへの移行が案内されている。ダッシュボードは、3月から中止の状態になっており、詳細は不明とのこと。データセンターは一部で火災が起きるとスプリンクラーが作動して、全体が水害でダウンするという話もある。基本的に「平時が前提」で設計されているような気がするが、有事に添えるとコストが上がるような気もする。戦争以外でも、自然災害などで被害が出ることはあり得る。平和なときに考えておくべき課題かもしれない。

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